福澤一吉研究室では、認知神経心理学や計算論的神経科学を主な専門領域としています。
最近では東工大精密工学研究所・慶應義塾大学理工学部と共同で運動の研究もしています。
◆研究分野:神経科学一般(認知神経心理学、計算論的神経科学)
神経心理学的事象を基にした心理学モデルを構築することを目指しています。
三次元位置解析装置や筋電などを用いて脳と運動についての研究もしています。
◆神経心理学と認知神経心理学
神経心理学とは、簡単に言うと脳(=中枢神経系)の心理学です。
脳に“こころ”が存在すると仮定して、脳損傷症状などを基にその機序を探っていきます。
認知神経心理学とは、神経心理学に認知心理学的アプローチを付加したものです。
認知心理学では“こころ”の動きを情報の流れとして捉え、その情報処理過程をモデル化を試みます。
モデルというのは仮定の集合であり、そこからは仮説が演繹され、具体的な実験検証が可能となります。
神経心理学と認知心理学はボトムアップ的なアプローチとトップダウン的なアプローチという対比で
捉えることができ、認知神経心理学はその両者を統合した学問だということができるでしょう。
福澤ゼミで扱う神経心理学対象は主に高次脳機能と呼ばれるもの(およびその障害)で、
言語、認知、運動などヒトの生活の根本をなす様々な領域を含みます。
【教員紹介】
◆福澤一吉
1950年東京都生まれ。1982年、Northwestern University Ph.D.取得。
東京都老人総合研究所リハビリテーション医学部言語聴覚研究室研究員を経て、
1998年より早稲田大学文学部教授。専門は認知神経心理学。
著書に『議論のレッスン』『論理表現のレッスン』『科学的に説明する技術』など。
◆研究テーマ
1. 失書の計算論モデルの構築
2. 小脳損傷例におけるトラッキング運動と逆ダイナミック・モデルについて
3. 頭頂葉損傷例における矢状面の到達運動と計算理論について
4. 位置覚障害と拇指探し運動の計算理論