2017年度日本語教育研究科設置
(春学期:木曜2限:14号館 MNC ゼミ室3 (14-610))
原田 康也
内容一覧
本 web page 使用に関する注意事項
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First drafted on December 26th, 2004. Last revised on December 28th, 2016.
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本 web page は早稲田大学日本語教育研究科設置の「応用言語学研究」の授業を円滑に進行させるために用意したものです。原則として、受講生以外の利用は想定していません。
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本 web page の内容は随時予告なく変更されることがあります。
[授業の経過・予定]
- 4月13日
- 春学期ガイダンス
- 担当教員の自己紹介
- 授業の進め方についての案内
- 担当教員による講義:言語研究の諸分野
- 4月20日
- 4月27日
- 5月4日
- 5月11日
- 5月18日
- 5月25日
- 6月1日
- 6月8日
- 6月15日
- 6月22日
- 受講生による発表と意見交換
- 学期レポート・草稿提出
- 6月29日
- 受講生による発表と意見交換
- 学期レポート・草稿相互チェック
- 7月9日
- 7月16日
- 春学期のまとめ
- レポート最終バージョン提出
- 今学期の成果発表と相互評価
- 7月23日
講義要項原稿
- 副題
日本語教育のための言語研究と言語資源の活用をめざして
- 講義概要
この授業では言語に関するさまざまな研究分野の成果・手法などの知見を言語の教育と学習に「応用」する可能性とその是非について、以下のような観点から検討します。
- 言語教育・言語学習の『現場』である教室において、どのようなコミュニケーションが成立しているのでしょう?これを分析する方法を検討するうえで、言語・認知・コミュニケーションに関する研究がどのように寄与しうるでしょうか?
- 習得すべき対象の言語をどのように捉えるべきでしょう?理論言語学やコーパス言語学などの言語研究は、こうした分析に有効な視点を与えてくれるでしょうか?
- 学習者の産出する言語をどのように捉えるべきでしょう?理論言語学やコーパス言語学などの言語研究は、こうした分析に有効な視点を与えてくれるでしょうか?
- 言語に関わる観察を記録に残す上で、どのような手法が有効なのでしょう?
受講生の言語学習経験・言語教育経験や問題意識を出発点として、受講生同士で意見交換を行いつつ議論を進めていくなかで、言語研究の諸分野と言語教育・言語学習の関わりについての理解と考察を深めていくことを期待しています。また、この授業を受講することで、ふだん研究内容について深く意見交換する機会の少ない他研究室所属の受講生から自分が関心を持っている研究テーマについてのコメントをもらうことが期待できます。
また、授業期間または授業期間後に担当教員が企画に関わるいくつかの研究会などを利用して、発表申し込み・研究発表・論文執筆・論文投稿など研究者として必須の作業の基礎を実体験することを目指しています。
- 授業の到達目標
- 研究発表の基本的手法を身につける。
- 自分の問題意識を適切に相手に伝えることができる。
- すでに解決している課題・解決の見込みがある課題・解決の見通しが得られていない課題を峻別して相手に伝えることができる。
- 一見すると自分の課題解決に関係ないと思えることがらが、高い観点から見たとき、直接関係していることがわかる場合があるということを認識する
- 学術的文章作成の基本的手法を習得する。
- 複数のセクションに分かれ、論理的に構成されたレポートを書ける。
- 情報(内容)・表現の出処を明確に示すことができる。
- 他の受講生ならびに研究会等で知り合った人たちと有意義で豊かな人間関係を構築する。
- 事前・事後学習の内容
- 発表【1回の発表について5時間程度の事前学習を想定】
- 受講者の人数によって進め方が変わってきますが、1学期の中で2回ぐらい、各自が関心を持っている話題について発表をしてもらいます。
- 発表資料作成の具体的方法については授業の中で説明します。
- 発表資料をまとめるにあたって、インターネット上の資料のほか、図書館の図書・学術論文3点以上に言及することが期待されます。
- レポート【学期のまとめとして5時間から15時間程度の準備時間を想定】
- 学期中の発表内容を整理して、論文の形式にまとめます。
- レポート作成の具体的方法については授業の中で説明します。
- ドラフトを集め、次に記載する各要素に着目して相互チェックを行います。
- 文章の論理構成と段落分け:論理的な構成になっているかどうか、よく検討することが求められます。
- 図やグラフの活用:図やグラフを活用してわかりやすい説明を心がけます。他者が作成した図やグラフを利用するときは、他者の作成したものであることを明らかにし、出典を明記します。
- 自己の主張と他者の引用との書き分け:内容と構成だけでなく、情報(内容)ならびに表現の出処が明確に示されているか、出典について必要な情報を示しているかという点についても評価します。
- 参考文献の明示と参照:引用の形式が守られていない・第三者のアイデアや表現を無断で借用し、出典を明示していないなど剽窃・盗用と認められた場合、この授業の評価が不可となるだけでなく、今学期のすべての科目履修が無効となり、停学などの処分の対象となる場合があります。
- 相互チェックに基づいて、提出用の最終版を作成します。
- 授業外での発表
- 授業での発表に加えて、希望する受講生にはさまざまな支援を提供しつつ、受講中または受講後に外部の研究会などで発表することを推奨しています。
- 発表申し込み用アブストラクト・発表資料集用原稿(論文)・口頭発表用スライド・データベース用アブストラクト(日・英)・キーワード(日・英)などを実際に作成・編集・選定することで、研究内容の見直しにつながるほか、修論執筆過程・修論執筆後の口頭発表・論文投稿などの準備にもなります。
- 授業日程
授業の実際の進め方については、概略以下のような流れとなる予定ですが、具体的な日程については、授業の進行に応じてこの web page に掲載します。
- 第1回:履修希望者に対するガイダンス
- 第2回:授業の進め方の確認・受講者の言語教育経験や問題意識を中心とした自己紹介
- 第3回:担当教員による関連研究の紹介
- 第4回:受講生による話題提起と質疑応答・意見交換
- 第5回:受講生による話題提起と質疑応答・意見交換
- 第6回:受講生による話題提起と質疑応答・意見交換
- 第7回:担当教員による関連研究の紹介
- 第8回:ゲスト講師による関連研究の紹介
- 第9回:担当教員による関連研究の紹介
- 第10回:受講生による話題提起と質疑応答・意見交換
- 第11回:受講生による話題提起と質疑応答・意見交換
- 第12回:受講生による話題提起と質疑応答・意見交換
- 第13回:レポート草稿提出と相互チェック
- 第14回:今学期の成果発表と相互評価
- 第15回:今学期のまとめ:レポート最終バージョン提出
- 教科書
特に指定しません。
- 参考文献
言語学全般について学ぶには、以下が参考となります。
- 『煩悩の文法[増補版]:体験を語りたがる人びとの欲望が日本語の文法システムをゆさぶる話』, 定延利之, 凡人社, ISBN: 9784893589156, 2016年12月10日.
- 日本語教育能力検定試験に合格するための言語学22 (日本語教育能力検定試験に合格するためのシリーズ) , 定延利之, アルク, ISBN-10: 4757418248, 2009年12月.
- 日本語教師・分野別マスターシリーズ:よくわかる言語学, 定延利之, アルク, ISBN4-7574-0129-9 C0081, 1999年11月10日.
- 現代言語学入門:1 言語学の方法, 郡司隆男・坂本勉, 岩波書店, ISBN4-00-006691-9 C3380, 1999年5月27日.
このほか、担当者が随時紹介します。なお、言語学関連の図書は高額であることも多いので、個人で購入するほか、大学や公立の図書館などで借り出して利用するとよいでしょう。
- 評価方法
以下の配分を目安として評価します。
- 授業への参加度 20%
- 議論への貢献度 30%
- 話題提供の内容・形式 20%
- 発想の面白さ・表現の闊達さ 30%
- 関連URL
- 備考
言語学・応用言語学に関する予備知識は前提としません。