「細胞を創る」研究会2.0 公開シンポジウム2009

「バイオメディア・アートの新展開:交錯する美と知の迷宮へようこそ」




チラシはこちらからダウンロードしてください (pdf, 573 KB)

日時: 2009年10月2日(金)18:30-20:30
入場無料(登録不要,定員280名)

場所: 東京大学鉄門講堂

http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_02_09_j.html

「細胞を創る」研究会2.0(2009.10.1-3)のホームページ:http://jscsr.org/sympo2009/
お問い合わせ:info (at) jscsr.org

パネリスト:
久保田晃弘(メディアアーティスト,多摩美術大学教授)
銅金裕司(メディアアーティスト,京都造形芸術大学教授)
竹内昌治(マイクロデバイス工学,東京大学准教授)
岩崎秀雄(造形作家・微生物学,早稲田大学准教授:コーディネーター)

いつの時代にも,芸術は生命の表現に心血を注ぎ,生物を素材とする表現を行ってきました。生命科学が高度に発展し,「細胞を創る」という構想まで浮上してきた現在,生命科学の技術や概念,また生物そのものを取り上げたアートが,現代芸術の分野で改めて大きな関心を集めています。
アーティストたちはその時々の最新技術を用いて,時にはその技術の使い方を塗り替えるような使い方を考案してきました。例えば,20世紀後半には(ニュー・)メディアアートの名のもとで,芸術とエレクトロニクスやコンピュータのさまざまな試みが行われ,科学と芸術の双方の分野で多くの成果が生み出されてきました。これに対して芸術とバイオテクノロジーのコラボレーションは21世紀になってようやく本格化したばかりで,その事例もまだ多くはありません。そんな新しいアートの世界とその世界観を,気鋭のアーティストと研究者に紹介していただきます。

パネリストの銅金裕司さんは,植物生理学のご出身。植物の発する電気信号を「植物の声」ととらえ,植物と人間の関係性を新たに問いかけるような芸術表現を長年にわたって開拓して来ました。いわば,日本のバイオメディア・アートの先駆者のお一人です。

久保田晃弘さんは,流体力学の専門家でしたが,電子音楽の第一人者としてメディアアートを牽引してきました。多摩美術大学において,日本初のバイオアートのクラスを設けるなど,ポスト・コンピューターアートとして,バイオを用いたメディアアートの可能性に大きな期待を寄せていらっしゃいます。

竹内昌治さんはマイクロデバイス工学の研究者で,とにかく「面白い小さなものづくり」を心底楽しんでおられる方。とくにバイオと工学の接点で,数々の新たな仕掛けを次々と繰り出しておられます。昨年発表された新規の微細加工技術に基づく細胞を使った5ミリの人形は,アートの世界でも注目を集め,メディアアートのオリンピック,アルス・エレクトロニカにも招待されています。

コーディネーターの岩崎秀雄は,微生物を用いたパターン形成を研究しながら,古典的な切り絵の手法を用いた抽象表現と微生物の運動を記録した動画を組み合わせたハイブリッドアートや,生物学研究室のアトリエ化を手がけ,生命科学とアートの境界面を模索しています。

 アーティストにとって生命はどのような存在なのでしょうか?
「細胞を創る」という試みを,彼らはどのように考えているのでしょうか?
科学にとって,アートはどのような存在なのでしょうか?

それぞれの作品や活動を紹介していただきながら,大いに語っていただきます。


プロフィール:

久保田晃弘 Akihiro Kubota
http://homepage2.nifty.com/~bota/
1960年生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科教授/学科長。
東京大学大学院工学系研究科博士課程修了、工学博士。デジタルメディアを用いた音響映像作品の制作と、アルゴリズム、計算、即興、インターフェイスなどに関する考察を続ける。近年、生体や細胞などのバイオメディアがデジタルメディアをリメディエイトすることによる、生成メディア時代のアルゴリズム造形や動的構成に関するに関するプロジェクトを開始。近作に『マテリアルAV−共鳴するインターフェイス』(ntt/icc, 2003)、『コードの技法:弦楽四重奏曲第2番 "Reflective Intervals"』(ZAIM Yokohama, 2008)、『純粋φ−Abstract Painterly Interface』(YCAM,2008)、近著に『ポスト・テクノ(ロジー)ミュージック』(2001)、『デザイン言語』(2002)、『創造性の宇宙―創世記から情報空間へ』(2008)などがある(共著含)。

銅金 裕司 Yuji Dogane
http://wiki.livedoor.jp/dogane/
1957年生まれ。メディアアーティスト。京都造形芸術大学教授。
神戸生まれ。海洋学を修めた後、園芸に転向し千葉大学大学院博士課程修了。学術博士(植物生理学、園芸学)、工学修士(海洋学)。東京芸術大学で10年、独自な観点で創発について講ずる。脱領域的な試みに挑戦しつつ、メディアアートで美術館、ギャラリーなどで作品展示、ワークショップ多数。藤幡正樹と藤枝守とのコラボレート作品はメディアアートと現代音楽で新機軸となる。ラン科植物の園芸的研究で学位を収めるも、最近はランと昆虫の関係をランと人との関係に見立て、若い頃愛読したナボコフやルーセルに回帰しつつ、新たな作家活動に向かう。奇しくも郡司ペギオ幸夫と交流することとなり、ある種の機械を構想中。

竹内 昌治 Shoji Takeuchi
http://www.hybrid.iis.u-tokyo.ac.jp/
東京大学 生産技術研究所 准教授(マイクロデバイス工学)。
1972年生まれ。東京大学大学院工学系研究科機械情報工学専攻博士課程修了。博士(工学)。東京大学生産技術研究所マイクロメカトロニクス国際研究センター講師を経て,2003年より現職。2004-2005年ハーバード大学化学科客員研究員。2005年よりJSTさきがけ研究者兼務(構造機能と計測分析)。機械,生物にこだわらず,「動く」モノに興味津々。最近はトランスフォーマーにはまっている。細胞ビーズを組み合わせて作ったマイクロ人形はアート界からも注目を集め,2009年アルス・エレクトロニカに招待出展。「細胞を創る」研究会・世話人。

岩崎 秀雄 Hideo Iwasaki
http://www.f.waseda.jp/hideo-iwasaki/
早稲田大学理工学術院准教授(生命科学)・JSTさきがけ研究者・造形作家。
1971年生まれ。名古屋大学大学院理学研究科修了。博士(理学)。名古屋大学助手を経て,2005年より現職。バクテリアの時空間パターン形成機構の研究,生命リズムなどに関する文化誌調査,現代美術の創作活動(抽象的な現代切絵とバイオメディアアート)の異分野同時並行研究活動を展開。研究室を一部アトリエ化し,久保田晃弘をはじめ,国内外のアーティストとの交流・創作活動を行っている。2009年SICF,ハバナ国際ビエンナーレなどに出展,2010年オーストリア,オランダなどで個展,グループ展開催予定。とよた美術展優秀賞,SICFリクター賞など受賞。「細胞を創る」研究会社会・文化ユニット世話人


2009.10.3: ご参加どうもありがとうございました。
岩崎のコメントについて,ひとことこちらに補足させていただきました。