13th metaPhorest Seminar



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椎名亮輔先生
同志社女子大学教授(音楽美学)

「音楽と存在論的なもの」

日時:2013年2月28日(木)15:00-17:00
場所: 早稲田大学 先端生命医科学センター(TWIns)
50号館 3F セミナールーム3
アクセス:http://www.waseda.jp/advmed/access/index.html
入場無料,事前申し込み不要

生命や生命科学の文化的・歴史的側面に関する研究者やアーティストを招き,(広い意味での)「アートにおける生命表現」や「生命科学の文化史」などに関する研究を紹介するmetaPhorestセミナー。

今回は、音楽美学の椎名亮輔先生(同志社女子大学)にご講演をお願いしました。椎名先生は、ご著書『音楽的時間の変容』(現代思潮新社)の中で、時間という観点から音楽を捉え、人類学、社会学、精神医学、哲学における諸研究を援用しつつその存在論を論究し、現在における音楽を考察されています。今回のセミナーでは、執筆の際のお考えやその後の思想の発展について、お話しいただきます。どうぞお誘い合わせのうえ, ご来聴ください。

講演内容
 現代音楽における音楽的時間の変容とは、それまでの伝統的な音楽的時間が対抗世界的な虚構的・劇的時間を構成しようとしていたのに対して、たとえばジョン・ケージの音楽に見られるように、時間のそのような音楽構築的性格を否定して、物理的性格に限りなく近付けようとする点にある。これにより、日常的時間における人間の存在論的なもの(存在的なものとの差延として現れて来るような)が、音楽の中でも感受できるようになる。

しかし、ここでの矛盾は、音楽という芸術の在り方に関わってくる。人生がそのまま芸術ならば(すべての音が音楽であるならば)、音楽を書き続ける意味がどこにあるだろうか。そのような問いに対して、現代音楽家たちは、さまざまなやり方で答えている。沈黙の可聴化、時間の遅延化、能動的聴取による時間の再創造……。しかし、実はこれら音楽的時間の諸相は、伝統的な音楽の中にもすでに存在していた。こうして現代音楽の変容した時間体験は、伝統的なものも含めた音楽的体験全体を新たな視点から見直すことを可能にする。

*本講演は,科研費 基盤研究(C)『ポストゲノム時代のバイオメディア・アートの調査研究』の支援を受けています。

連絡先:
堀江俊行(metaPhorest,早稲田大学)
info (at) metaphorest.net
http://genseirhythm.info/about/
http://metaphorest.net/residents/artists/toshiyukihorie/51

本研究会のページ
http://www.f.waseda.jp/hideo-iwasaki/metaphorest_seminar13.html


【ご注意】TWInsの最寄り駅は,大江戸線若松河田駅です。


第1回(福原志保さん+Georg Tremmelさん(BCL, Biopresence))(2008.1.14)の参考ページはこちら
第2回(滝田順さん)(2008.9.16)の参考ページはこちら
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