家路の車窓

2013/06月号

2013/06/10月曜日

 

「ブレイン・ストーミング」

この言葉を聞いたのは,前職の研究所に入所した後でした.でも僕は,普通に今の大学4年生に使っていて,彼らも普通に受け入れているようです.この“ブレイン・ストーミング”は,研究だけではなく,様々な活動を行う上で,とても大切です.

ある主題やキーワードに対して,参加する人たちの経験と知識と思い込みを持って真剣に議論する.そして,それぞれが頭の中に,何か新しい思いや考えを創出するという行為です.明確な答えや参加者の統一見解などが生まれることはないので,すぐに正解を求めたがる世代,与えられた選択肢から解答してきた世代には,なじみにくいのでしょう.しかし,本当に大切なことは,解答を探し出すことではなく,考え続けることなのです.

その意義を教育するためにも,この“ブレイン・ストーミング”をときどき行うようにしています.僕の研究室では,ときどき外部の研究者や技術者をお招きして行っています.これは予想外に好評です.つまり,一流の研究者や技術者は,“ブレイン・ストーミング”の大切さを知っているのですが,行う相手が周りにいなかったり,時間がないんですね.

合理性のみを追求するような世相であるからこそ,この“ブレイン・ストーミング”を意識して活動していきたいと思います.

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