HOME Reports LINK Activeties FAQ Contact

【資料・コラム】

資料へ(最終更新日:2007年2月19日最新の資料へ)  リレー・エッセイへ (最終更新日:7月25日)

【資料

資料目次
(I)早稲田大学における研究費流用疑惑等に関する資料
(II)文教政策・科学技術政策一般に関する資料等

【サイト管理者よりの重要なお知らせ】ここに掲載された資料等につきましては、今後諸事情により(どのような「諸事情」があり得るかはお察しください)予告なく掲載を取りやめたり、目立たない位置に移動することなどがあり得ることを予めお知らせ申し上げます。(主な資料は、ここをクリックすると一括でダウンロードできます。)



(I)早稲田大学における研究費流用疑惑等に関する資料

大項目 中項目 小項目 ファイル名(クリックするとご覧になれます)
(A)早稲田大学の規約・規定など 調査委員会・リスク管理委員会など リスク管理委員会規程
(A)早稲田大学の規約・規定など 調査委員会・リスク管理委員会など 緊急事態発生時の対策委員会設置要綱
(A)早稲田大学の規約・規定など 調査委員会・リスク管理委員会など 調査委員会設置要領
(A)早稲田大学の規約・規定など コンプライアンスおよびリスク管理体制の構築 2006年度早稲田大学事業計画書より(「II..4.(7):コンプライアンスの強化およびリスク管理体制の構築」)
(B)早稲田大学の調査報告書・発表文など 調査報告書 学内向け公表物 学内向け公表物・「学校法人早稲田大学における公的研究費に係るアルバイト賃金の不正請求問題等に関する調査結果等についての報告」(2006年2月23日付け、いわゆる「6月23日の中間報告」)
(B)早稲田大学の調査報告書・発表文など 調査報告書 学外向け公表物 学外向け公表物・「学校法人早稲田大学における公的研究費に係るアルバイト賃金の不正請求問題等に関する調査結果等についての報告」(2006年2月23日付け、いわゆる「6月23日の中間報告」)
(B)早稲田大学の調査報告書・発表文など 対応状況等発表 「公的研究費の不正請求問題等に対する文科省の措置への本学としての対応 (No.1)(『対応No.1』)(2006年6月26日)
(B)早稲田大学の調査報告書・発表文など 対応状況等発表 「公的研究費の不正請求問題等に対する文科省の措置への本学としての対応 (No.2)(『対応No.2』)(2006年6月27日)
(B)早稲田大学の調査報告書・発表文など 対応状況等発表 「公的研究費の不正請求問題に対する本学としての対応状況について」(関係者の処分等を公表、2006年6月28日)
(B)早稲田大学の調査報告書・発表文など 学生向け掲示 「公的研究費の不正請求問題について」(2006年7月4日)
(B)早稲田大学の調査報告書・発表文など 田山常任理事 06年7月3日の逢坂教授よりの文書に対する田山常任理事の回答(2006年7月5日)
(B)早稲田大学の調査報告書・発表文など 監査室長 内部通報受付窓口「調査受付デスク」の開設について(2006年7月5日)
(B)早稲田大学の調査報告書・発表文など 監査室長 一部内容変更版(その1)内部通報受付窓口「調査受付デスク」の開設について(2006年7月20日)
(B)早稲田大学の調査報告書・発表文など 監査室長 一部内容変更版(その2)内部通報受付窓口「調査受付デスク」の開設について(2006年7月20日)
(B)早稲田大学の調査報告書・発表文など 行動計画 「公的研究費における不正再発防止に向けた第一次行動計画」(2006年7月12日)
(B)早稲田大学の調査報告書・発表文など 調査報告書 「当学教授と特定業者との間における不正取引問題に関する報告」(2006年7月12日)
(B)早稲田大学の調査報告書・発表文など 大学告示 「平成18年度科学技術振興調整費について 」(2006年7月20日)
(B)早稲田大学の調査報告書・発表文など 要綱 「競争的研究資金監査委員会設置要綱」(2006年7月7日)
(B)早稲田大学の調査報告書・発表文など 委員名簿 「競争的資金監査委員会委員名簿」 (2006年7月31日)
(B)早稲田大学の調査報告書・発表文など 大学告示 「競争的研究資金を対象とした実地監査の実施について(依頼)」(2006年8月4日)
(B1)早稲田大学の議事録など 学術院長会 2006年6月23日の学術院長会議事録 (2006年6月23日)
(B1)早稲田大学の議事録など 学術院長会 2006年7月7日の学術院長会議事録 (2006年7月7日)
(B1)早稲田大学の議事録など 学術院長会 2006年7月12日の臨時学術院長会議事録 (2006年7月12日) 田山常任理事の重要発言は未記載です
(C)「女性研究者支援モデル育成」プログラム関連 棚村メモ

科学技術振興調整費「女性研究者支援モデル育成」プログラムにについて(棚村文書)

(C)「女性研究者支援モデル育成」プログラム関連 棚村メモに基づく時系列表 「女性研究者支援モデル育成事業」に関する経緯と白井総長の驚くべき発言
(D)理事会等への異議申し立て・抗議・要望等 逢坂教授

「学校法人早稲田大学における公的研究費に係るアルバイト賃金の不正請求問題等に関する調査結果等についての報告」に対する訂正および再調査の要望(2006年6月24日)

(D)理事会等への異議申し立て・抗議・要望等 逢坂教授 処分に対する理事会への異議申立書(2006年6月29日)
(D)理事会等への異議申し立て・抗議・要望等 逢坂教授 「『第二次調査委員会による事情聴取の日程調整について(依頼)』に対する回答と要望」(2006年7月3日)
(D)理事会等への異議申し立て・抗議・要望等 逢坂教授 理事会への要望書(2006年7月6日)
(D)理事会等への異議申し立て・抗議・要望等 逢坂教授 足立・逢坂連名での理事会・調査委員会への質問状(2006年7月13日)
(D)理事会等への異議申し立て・抗議・要望等 逢坂教授 「今般の早稲田大学における松本和子教授研究費不正事件に対するお願い」(PDFバージョン)(2006年7月14日)
HTMLバージョンはこちら
(D)理事会等への異議申し立て・抗議・要望等 足立教授 「調査委員会の中間報告についての異議申し立て」(2006年6月26日)
(D)理事会等への異議申し立て・抗議・要望等 足立教授 処分に対する理事会への異議申立書(2006年6月29日)
(D)理事会等への異議申し立て・抗議・要望等 足立教授 「『第二次調査委員会による事情聴取の日程調整について(依頼)』に対する回答と要望」(2006年7月3日)
(D)理事会等への異議申し立て・抗議・要望等 足立教授 足立・逢坂連名での理事会・調査委員会への質問状(2006年7月13日)
(D)理事会等への異議申し立て・抗議・要望等 3学術院長 学術院長会開催要求書(6月27日)
(D)理事会等への異議申し立て・抗議・要望等 法学学術院 法学学術院教授会決議(2006年6月28日)
(D)理事会等への異議申し立て・抗議・要望等 法学学術院 法学学術院教授会決議(2006年7月5日)
(D)理事会等への異議申し立て・抗議・要望等 足立、逢坂、濱、浦川、石川 「研究費不正流用事件に関する第2次調査委員会(田山委員会)報告書の速やかな公表を求める要望書」(2006年9月15日)
(E)早稲田の再生を目指す会 「有志の会」6月27日集会での配布文書(2006年6月27日)
(E)早稲田の再生を目指す会 公開質問状(2006年6月28日)
(F)政府等の反応や意見等 文部科学大臣定例記者会見 2006年6月30日の定例会見
(F)政府等の反応や意見等 文部科学大臣定例記者会見 2006年7月4日の定例会見
(F)政府等の反応や意見等 文部科学事務次官 2006年6月23日文部科学事務次官談話(早大の中間報告書公表を受けて出された談話)
(F)政府等の反応や意見等 科学技術・学術政策局調査調整課調整企画室 平成18年度科学技術振興調整費の早稲田大学に係る扱いについて(2006年7月19日)
(F)政府等の反応や意見等 文部科学省 研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準) (2007年2月15日公表)
(F)政府等の反応や意見等 文部科学省 研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドラインに関するパブリックコメント結果について (2007年2月15日公表)
(G)教職員組合の資料 7月4日の春闘団交での理事会側と組合のやり取り(2006年7月20日『きょうとうニュース』より)
上へ

(II)文教政策・科学技術政策一般に関する資料等

大項目 中項目 小項目 ファイル名(クリックするとご覧になれます)
(A)文部科学省資料 文部科学省「基本計画の達成効果の評価のための調査」報告書図表(2005年3月発表:日本の科学技術予算の推移、欧米との比較、論文数等の成果などが網羅されている資料です)
(A)文部科学省資料 「基本計画の達成効果の評価のための調査」報告書(2005年3月:上の図表を含めた報告書の概要です)
(B)文部科学省・JST資料 科学技術振興調整費 科学技術振興調整費の概要(平成17年度科学技術振興調整費パンフレット)
(B)文部科学省・JST資料 科学技術振興調整費 平成17年度科学技術振興調整費業務委託マニュアル全文(このVIII「調査について」に2006年6月26日の立ち入り調査の根拠が説明されています)
(C)NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)資料 委託業務事務処理マニュアル(平成18年度版) (この第X章に、立ち入り調査の根拠が示されています。なお、第X章のみでしたらここをクリックするとお読みになれます。)
上へ

【コラム<リレー・エッセイ>】

このコーナーでは、今回の研究費不正流用事件に限ることなく、大学と社会をめぐる諸問題について、皆さんのエッセイを折々に掲載していきたいと思います。匿名の掲載でもかまいませんので、このコーナーに文章を掲載したいという皆様は、私どもに御連絡くださいますようお願い申し上げます。皆様からの投稿をお待ち申し上げております。
エッセイ 目次
7月25日(火) 棚村政行(法学学術院) 「研究費不正受給問題は単に研究者個人の問題だけでない」

2006年7月25日(火)
「研究費不正受給問題は単に研究者個人の問題だけではない」
棚村 政行(早稲田大学法学学術院教授)

 早稲田大学理工学部の女性教授が国からの研究費のうち1472万円を不正に受け取り、そのうち900万円を投資信託で運用していたというショッキングな事件が発覚した。また、業者との架空取引や研究データの捏造の疑惑も指摘されている。大学の関係者として、また平成18年度の科学技術振興調整費の「女性研究者支援モデル育成」プログラムの早稲田大学側実施責任者(総括責任者は白井総長)として、今回の不祥事のお詫びをするとともに、この問題を単に一研究者の不正や一大学の不祥事として片付けてはいけないと考える。

 一つには、わたしたちは同じ大学に所属するものとして、大学としての説明責任が全く果たされていなかったことに大きな衝撃を覚えた。このような研究教育上の重大な問題が大学内では何ら説明も情報提供もされずに、新聞報道やテレビなど外部のメディアを通じて構成員に伝えられることはなんとも異常な事態だ。2006年の4月に内部告発があり、調査委員会が設置されていたにもかかわらず、大学の教学会議体では一切緘口令がしかれ、大学側が事実関係の一部を明らかにしたのは内部告発から2ヶ月近くも経った2006年6月23日の臨時学術院長会であった。

 もう一つは、大学の組織としてのコンプライアンスやガバナンス、研究資金の管理体制に大きな問題があったことだ。確かに大学でのコンプライアンスやガバナンスは、企業でのそれとは異なっている。早稲田大学は、国公立大学とちがい、これまで研究資金について科学研究費補助金や科学技術振興調整費など外部資金にあまり依存してこなかった。そのため、お世辞にも、外部資金導入をめぐる大型プロジェクトを実施し処理するだけのスタッフや事務体制が十分に整っているとは言いがたい。しかも、今回のような著名な女性教授を一方で資金集めの広告塔として使い、研究費の使用についてもチェックをせずに放置し、不正が表面化すると冷たく切り捨ている体質にも大きな問題が横たわっている。

大学の世界も、外部評価により格付けが行われ、他の世界以上に二極分化が進みすぎ、大学の組織全体を大きく歪めてしまった。政府が進めたい重点的なテーマ、先端的分野については、競争的研究資金がばらまかれ、これを取れる研究者や研究者グループが高く評価される。これに対して、重点的先端的テーマとされない基礎研究には、研究資金もつかないし、その結果学生たちや教員も集まらない。完全な勝ち組、負け組みの二極化が進む中で、早稲田大学が勝ち組となるために、大型の外部資金の導入を奨励しこれを獲得できる教員を厚遇してきた。

 不正を働いたとされる女性教授は、1月まで総合科学技術会議の議員を務め、国の科学技術政策を指導する立場にあった。ここ10年くらいで、国は科学技術基本計画を策定し、研究開発費を増大させるとともに、大学などの研究機関に競争的な研究資金を傾斜配分する政策に転換してきた。その結果、総合科学技術会議が重要だと認めた先端的分野に膨大な研究資金が投入され、研究成果をあげさせることで研究促進を図るというシステムになった。

 たとえば、振興調整費だけで、2005年の261億円から2006年には398億円に膨張している。しかしながら、振興調整費を例にとっても、2月に申請、4月にヒヤリング、5月に採択、6月に委託契約の締結、7月に事業開始、10月からの支出で3月までに使い切るというように、スケジュール的にはきわめてタイトであり、大学や研究者は外部資金を導入することのペーパーワークや事務処理に大半の労力を割かれ、自転車操業を余儀なくされている。お金を取れなければ、大学としての評価は落とされ、お金が取れれば取れたで派手な成果を示せなければ、また評価にかかわり、金が来なくなる。研究者たちはこのような成果主義の強迫観念のもとで余裕がなくなり、そこに研究データの盗用や捏造という派生的問題も起こってしまう素地があるのだ。


 いずれにしても、大学が研究機関として、社会からも信頼され、構成員からも支持されるためには、個人や箇所の責任問題にすりかえるのではなく、大学としての責任を明らかにし、徹底した事実関係や原因の解明と再発防止策を早急に打ち出すことしかない。早稲田大学は、総長を委員長とする研究費不正防止対策委員会、リスク管理委員会のもとでの調査委員会、競争的研究資金監査委員会、内部通報窓口の設置などを提案し、再発防止を図ろうとしているが、これらは有効な対策とはなりえない。

 大学でのコンプライアンスは、企業のコンプライアンスやガバナンスとは異なり、単に重い罰則を科したり、内部通報を奨励して取り締まりや管理監督を強化しただけでは到底実現できない。大学という外界から遮団され自由闊達で、打ち解けた雰囲気の中で、はじめて研究教育の営みが功を奏する。今、良識的な教職員を中心に「早稲田大学の再生を目指す会」が組織され、大型プロジェクトの実施責任者などを集めた全学的なワーキンググループの形成、他大学の外部資金プロジェクトとの連携・交流、外部資金導入をめぐるリスクの洗い出し、中長期的な研究推進戦略と事務処理体制の整備などにつき具体的な対策を検討しており、今回の事件をきっかけに、このような地道で冷静な対応しか信頼を取り戻す道はないと考えている。


【注:この文章は、棚村教授が2006年7月19日(水)の『朝日新聞』朝刊の「私の視点」コーナーに掲載した「研究費流用 個人の問題で終わらせるな」という文章の元になる原稿です。新聞掲載文章は、この原稿を縮約したものになっています。】

上へ