ドイツ廃棄物法制の歩み

1E01H076 -3 熊谷純一


1971
「環境政策Umweltpolitik」の 概念を定める

(1)    配慮の原則・・・・・・
  将来長期にわたって危険物質に対する用心・配慮をすべきこと。被害が予想される場合は行政が介入し、営業停止 させうる。

      (2)    原因者の原則・・・・・・
      原因者は被害防止の義務を負い、被害が生じてしまった場合には、自分の費用負担でそれらを除去し、原状回復をはかる      べきこと。

      (3)    協働の原則・・・・・・
      原因者と行政が協働して環境保護のために積極的に努力すべきこ と。前2原則の運用上の調整       
     (後のシュミット政権において「政治は経済・労組・科学・環境同盟などの関係各方面と一致して措置をとる」意味である      ことと規 定)。


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★これ以降の環境政策はこれらの原則に乗っ取り行われることに。  

 

1972 「廃棄物処分法」

廃棄物の処理は自治体の責任であると規定。廃棄物の回収・運搬・処理・処分の規定を定め る。
                 
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★廃棄物に関しては「除去 Beseitigungの 概念止まりであり、廃棄物の「回避 Vermeidungという考え方はまだ示されてはいな かった。


1986 「廃棄物法」

 廃棄物の発生をゼロにするという考え方とリサイクルの実施が初めて法律に盛り込まれ る。
          
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しかし、 廃棄物をめぐる状況は法律が施行された後も厳しいまま。1990当時、年間約4000tの都市ご みのうち、包装・容器廃棄物の割合は容量比で50重 量比で30%と多いうえ、過剰包装も目立ってい た。そこで・・・

 

1991 「包装・容器廃棄物令」

 製造業者と流通業者に製品責任が適用され、包装廃棄物は発生させない、発生したものは リサイクル、残留物は無害化処理が徹底される。
         
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★この政令の例外規定を基にDSD社は設立されデュアルシステムが確立。そして製品責任という考え方は他の廃棄物にも適用され・・・

 

1994 「循環経済・廃 棄物法

 製品の開発から製造、加工、販売、使用する者は製品に関する責任を負うという新しい 「生産者責任」の概念を導入。
廃棄物の発生を極力抑制し、やむを得ず廃棄物が出た場合にはリサイクルを徹底させることを原則とする。


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     ★その後これらの考え方は他の国の環境政策にも影響を与えていくことになった。



<参考文献>

・平子義雄『環境先進的社会とは何か―ドイツの環境思想と環境政策を事例に』世界思想 社,2002

・川名英之『どう創る循環型社会 ―ドイツの経験に学ぶ―』緑風出版,1999

・川名英之『こうして・・・森と 緑は守られた!!−自然保護と環境の国ドイツ』三修社,1999

・田中勝,杉山涼子『リサイク ル:世界の先進都市から』リサイクル文化社,1998

・山谷修作『廃棄物とリサイクル の公共政策』中央経済社,2000