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2004年度

文学とジェンダー後期第四回


子どもと「わたし」を見守る眼
― 干刈あがた「ゆっくり東京女子マラソン」を中心に ―



 

今週のおすすめ

第4回 早稲田大学ジェンダー研究所主催シンポジウム
「ジェンダーと暴力」 
2004年11月13日(土)午後1時30分〜午後5時(午後1時開場)
於:早稲田大学7号館220教室



(1) 受講生のレビューシートから
(2) 「干刈あがた」ってどんなひと?
(3) 『ゆっくり東京女子マラソン』を読む
(4) リプロダクションとケアの倫理
(5) 誰が子どもを見守るかー干刈あがたの遺したもの



(1) 受講生のレビューシートから

(2) 「干刈あがた」ってどんなひと?
「干刈あがた資料館」

約10年間にわたる作家活動…
〇自身の経験に根ざした家族の再編成の物語
=『樹下の家族』、『ウホッホ探検隊』

〇1980年代の都市生活における子育て/自分育ての物語
=『ゆっくり東京女子マラソン』、『しずかにわたすこがねのゆびわ』
 
〇子どもたちに寄り添った教育問題
=『黄色い髪』

〇自身の経験に根ざした女性のセクシュアリティとジェンダーの問題
=『裸』


(3) 『ゆっくり東京女子マラソン』(福武書店 、1984/01)を読む

ワークショップ…
(1)ミドリの選択をあなたはどう感じましたか?

(2)ミドリの夫は、ミドリの選択をどう受けとめたと思いますか?

(4) リプロダクティブ・ヘルス/ライツとケアの倫理

リプロダクティブ・ヘルス/ライツ…
性と生殖をめぐる自己決定権。
近代になって医学の進展によってバースコントロール(産児制限)が可能になったことに伴い、誰が産む
産まないの判断を下すのかが問題になってきた。
1994年にカイロで開催された国際人口開発会議では行動計画にこの観点が盛り込まれたことでも知られる。
エンゲルスの『家族、私有財産、および国家の起源』(1884)で「再生産(リプロダクション)の理論」として指摘があったが、それをマルクス主義フェミニズムでは「人間の再生産活動」と捉えなおして、家事労働・育児にまつわる労働・セクシュアリティ・生殖の問題と関連させて解明した。

ケアの倫理…
1980年代のアメリカの思想界にあって、「男性なみに」を主張の中心に据えてきた主流フェミニズムの在り方に対して、提出され論議を呼んだ道徳的観念。
道徳的意思決定において、女性たちが「正義」や「公正」という観念よりも周囲への思いやりや配慮といったケアの観点を重視しているという考え方で、キャロル・ギリガンの『もうひとつの声』(1982)の中で提示された。
しかし、これは政治的な文脈の中で男女の性役割分担の根拠として用いられることもあり、また同じ女性でも置かれた階層や 状況によっての差異を考慮していないとの批判もあった。
 
まとめ…
○干刈あがたが描いた、1980年代の女(女たち)の選択と決断
 →子どもたちにどのように受けとめられるのか
〇女(女たち)の選択と決断に男(男たち)はどのように関わっているのか
 → 子どもたちにとってのロール・モデルとして
〇リプロダクティブ・ヘルス/ライツは誰の手に?
〇ケアの倫理を賃労働の現場には生かせないのか?

(5) 誰が子どもを見守るかー 干刈あがたの遺したもの ー

ウホッホ探検隊
書籍(朝日新聞社 、2000/01)
DVD(1986ニュー・センチュリー・プロデューサーズ/ディレクターズ・カンパニー/日本テレビ) 
干刈あがたの文学世界 (鼎書房、2004)
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