田んぼのぬくもりに誘われて/大場 黎亜

「天栄村」
― 天に栄える村 ―
まず惹かれたのは、この村の名前だった。
この村に訪れる前から。
青々とした稲の苗が、あるいは金色に輝く稲穂が、天に向かって豊か育まれている。
名前の由来は知らないが、その様はまさに村名に相応しく、雄大で生命力に溢れ、美しい。
1年ぶりにこの地を訪れた。
初めて来たときと同じく、辺り一面の田園風景。
田んぼに貼った水、水面に映る山。
素足を包み込む土が、なんと心地好いことか。
そして、変わらず迎えてくれる人たち。
「お帰り」と言われて来る天栄村。
「また帰っておいで」と言われて去る天栄村。
村の魅力は、何よりも「人」だった。
田んぼに人生をかけている、いや、田んぼそのものが人生と言っても過言ではないであろう、男たちの背中。
その米を愛情で握る女たちの包容力。
田んぼのぬくもりに誘われて共に訪れた仲間たちが次々に言う。
「また行きたい」「今日が名残惜しい」
都会にいると薄れてしまう、大切な“何か”がある天栄村。
大地のぬくもり、人のあたたかみを、肌で感じる天栄村。
村の魅力は、何よりも「人」だった。



   
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