岡部政行(おかべ まさゆき)さん     
米農家、天栄米栽培研究会会長

:まずお名前とご年齢をお願いします。
:天栄村栽培研究会の岡部政行です。64歳になります。
:農家になられたきっかけと、決心されたご年齢を教えてください。
:10歳頃ですね。農家やるのは当たり前って環境に育ったもんですから、それを素直に引き受けて、現在までやってます。
:10歳? 早いですね!
:その時その時に、できる仕事を手伝って。昔は今みたいに機械がないんで、リヤカーの後を押すとか、いろんなしごとがあったんですよ。うちの親父も農家が好きだったみたいで、学校から帰ると一緒になって手伝ってましたね、堆肥作りとか苗運びとか。
:その頃から楽しいって感じだったんでしょうか?
:楽しいっていうより、やるのが当たり前って雰囲気でしたね。
:お米を作っている中で岡部さんが一番大事にされていることは?
:何と言っても環境ですよね。そのため有機質を使って、微生物を増やし、周りを汚さないっていう心づもりでやってはいます。それが一番楽しいかな。
:化学肥料はなるべく使わないということですか?
:化学肥料も最小限のものを使って生産したいって思ってます。
:3.11の後のお気持ちと、その後の取り組みについてお聞かせ下さい。
:あの時はもう、本当にこれからは農業を続けていけるんだろうかという風な、大変なショックでした。しかし吉成さんはじめ、仲間がいましたから、心配事や悩みを色々話しまして、それで助かったのかなという気がしています。その後、放射能なんかも稲や野菜や果物から出ませんでしたから、また気を取り戻して、「やろう!」という考えにはなっています。
:岡部さんは栽培研究会の会長さんですが、この会にどんな思いを持っておられますか?
:やはり夢と目標をみんな大きく持っているもんですから、それに向かって、今、ようやく手が届くっていうか、そういう感じをみんな持ってきたと思うんです。だからそれをより着実に、実現できるように、もっとみんなで頑張っていければ一番いいかなって思ってます。栽培研究会では、毎月例会を開いているんですが、色んな情報をお互いに交換したり、困った時には相談できる。同じ思いでいるっていうことが一番嬉しいです。
:コンテストに毎年出場されていて、ご苦労も多いと思うんですけど、お米作りの一番のご苦労ってどういうところでしょうか?
:日本一の食味を追っていると、やはり天候によってずいぶん左右されるんで、収穫前には、本当に美味しいものができるのかなって気を使いますね。
:お米作りで一番嬉しかったことは何ですか?
:たった一回ですけれど国際コンクールで金賞をもらった、その時が嬉しかったですね。自分はとれないんだって思ってたのに、ちょうどその時、内山さんと石井さんと一緒に3名でとれて、喜び合ったことも嬉しかったです。
:これからどういうお米作りを目指していきたいですか?
:経営もさることながら、この環境を守って次世代に繋げたい、この思いを持って、日本一を目指すというその考えを、若い方々に伝えたいです。
:岡部さんが天栄米に一番合うと思うおかずは何ですか?
:きんぴらごぼう。そういう手作りのものがいいと思います。
:これからの夢を聞かせて下さい。
:やはり辛いのは草刈りかな。年齢も積み重なってきたのでキツいですが、楽しいのは、やはり土づくりを考えて、ああやろうこうやろうというような考えがピタッと合った時ですね、収穫の時、ああこれで美味しいとか収量がとれたなとか、そういう時が嬉しい。そうした試行錯誤を重ねながら、美味しいお米を作って、これまで以上に都会の方…消費者と繋がる活動ですかね。作ったものを顔の見える関係でお付き合い出来たらっていうのが一番念願です。今以上にね。(2015年3月4日取材)