清水英一さん(しみず)さん  
米農家、天栄米栽培研究会会員

:まずお名前とご年齢をお願いします。
:清水英一、53歳です。
:農家を始められたきっかけと、ご年齢をお聞かせください。
:農作業には、小さい頃から関わってきましたね。昔はコンバインなんかねぇから、田んぼで稲刈って、さでで稲を干して、それを脱穀するのに家まで運んで。そういうのを見ながら、耕うん機の荷台に乗ったりして遊んでました。作業自体はそんなに嫌なものと思っていませんでしたね。というか、お父さんかっこいいなみたいな感じかな。背中を見てね。高校卒業して会社に勤めて、4年くらい過ぎてから農業になりました。結婚と一緒くらいですね。それまで農業はじいさんとばあさん、親父もやってましたが、農業収入はそんなに高くなくて、一人でいいだろうみたいな感じで。会社は地元の若者が行く瓦屋さんですね。今はもう、ないけれど。結婚をきっかけに専業農家になりました。
小さい頃はですね。今は子どもらがそういうのに関わらない。全部機械でやっちゃうから。だからなかなかね、農業も大変です。

:清水さんがお米を作る上で大事にされていることは?
:そうですね。田植えも楽しいんですけど、秋の収穫で機械で食味とか測るじゃないですか、あの時に結構楽しみありますよね。
:具体的に田植えのどこが一番楽しいですか?
:田植えは、あっちこっちのお手伝いにも行っていますが、その植え終わった後の感じですかね。苗を運んで、田植え機に乗っけて、植えて、それが終わるとやったなって感じはします。その前にも代掻きとかあるから。それも全部ひっくるめて、田植えをやれば春の作業の一段落みたいな感じで。
:機械で食味を測るの、楽しみなんですね?
:栽培研究会のメンバーには、全国で金賞とってる人がいますよね。俺も一発ここらで一回くらい欲しいなとか思ってるんですが、これがなかなか大変なんですよ。村は村で米食味コンクール、やってますよね。あれには何回か出てるんですけど、やっぱり全国となるとね。一回くらいは欲しいなと思ってるんです。
:今年こそ、全国、狙ってますね。
:はい(笑)。だから肥料体系にちょっと工夫を凝らした方がいいのかなって思ってます。栽培研究会の方で、完全無農薬とか。除草剤ちょっと使ってもいいよとか…、そういうのも含めると5通りくらいあるんですよ。そこに+アルファをね。
:3.11の時のお気持ちと、その後どういう風に進んでこられたか教えて下さい。
:3.11って原発の被害が大きいですよね。もう、米は作らねぇんじゃねぇかなとは思ってました。そんな中でも、自分が食べる米くらいは作んなきゃなんねぇとはずっと思ってたんですね。それが3月30日に皆で集まって、「田んぼは作っから」ってなったんじゃないですか。どっちにしろ、自分の米は…食う米は、絶対に自分で作るっていう気持ちではいました。
:栽培米研究会って清水さんにとってどういう存在ですか?
:一人で農業やってるよりも、こういう団体だと情報も早く入るし、一人で学習してると時間がかかるんですよね。会で1年くらいで情報入ってくるやつが、個人でやってると4.5年かかっちまう。それは、米栽培研究会以外にもそういうのは見てきましたんで、会の存在って結構大切だなって思っています。
:一人でやると10年かかるところが10人でやると1年でデータ自体が揃うっていう、そういうことですよね。
:そうもいえますよね。月一回集まってますが、気兼ねなく何でも話できますよね。酒の席なんかもあるんで、たまに。そういう時は思いっきり酔っ払っちゃって(笑)。
:そういう時、一番楽しい話題は何ですか?
:やっぱり山でしょ。(笑・・・注・清水さんは「天栄山の会」の会長でもある)
:米じゃないんだ。山なんですね。
:米は大体皆考えが一緒なんで、日頃やってることが酒の席でちょっと話にはなりますけどね。
:清水さんにとってこれからの米作り、どういうことを目標に置かれていますか。
:昔っから思ってたんだけど、何ていうか、いつまでもできないですよね、年取ってきたりして。その時、肥えた土地なら誰でも譲り受けて、自分の子どもなら一番いいんですけど、肥えた土地を残す。そういう考えではずっとやってきました。だから有機でやって何回も挫折して…今に至ってます。
:天栄米に一番合うおかずを教えてください。
:うちの近所に味噌屋さんがあるんですよね。味噌って油で炒めたりとか、削り節入れたりして、
キュウリに付けたり、色んな食べ方ができますよね。まぁ、そういう点で味噌かな。
:ご飯にお味噌乗っけるんですか?
:うん、乗っける。だから油で炒めて乗っけたり。そういうの小さい頃から食べてましたよ。油味噌って言うんですよ。旨い。これが一番ですよ。(2015年3月4日取材)