2004年度 よむよむ座 後期第三回
 
小宇宙からの提言――正岡子規の響き

パフォーマーと演目の解説


演者紹介
:飯沼定子
幸田弘子氏に長年師事し、NHK日本語センター朗読コンテスト大賞受賞。
視覚障害者のための朗読ボランティアである台東リーディングサービスにおいて後進の指導にあたる。
平成10年より毎年、「飯沼定子朗読の会」を主催。
台東区民話と伝承遊び普及委員、中学生「わくわく国語クラブ」指導員。

演目:正岡子規『仰臥漫録』・『病床六尺』より

演者と演目について:
飯沼定子さんは昨年、一昨年に引き続いて、よむよむ座には三回目のご出演です。
淡々とした語りの中に、夢や希望、怒りや悲しみがゆっくりと走馬灯のようによぎる「飯沼節」は、忙しく日々を暮す学生さんたちにも確かに届いたようで、山本周五郎の短編『かあちゃん』の一節を聴きながら、目頭を押さえていた人がいました。
今回は、飯沼さんが本年度のご自身の会でも朗読された、正岡子規の晩年の随筆『仰臥漫録』・『病床六尺』を取上げてくださいます。
肺結核に脊椎カリエスを併発して、寝たきりの子規でしたが、彼を取巻く世界に向けられた好奇心の旺盛なこと!
よく食べ、考え、語り、書き、そして心に希望を絶やさなかった子規の日々を、飯沼さんの語りでお聴きください。

飯沼さんのことば:
上野に住んでいながら、根岸の子規庵に足を運ぶことも無かった私ですが、昨年はっとひらめくように子規が読みたい、子規で行こうと思い立ちました。
それから日記や随筆、和歌、俳句と夢中になって詠みましたが、晩年の子規のことばは仏教にも通じるところがありますね。
私はいま、あるお寺から依頼されて毎日、大般若を写経させていただいているのですが、お経のことばに子規のことばが重なります。そうすると、子規が100年前の人とは思えなくて、とっても身近に感じますよ。