R-RAM
電場誘起抵抗変化とメモリー効果の研究

+ RRAM(resisitance RAM)とは?
 基板の上にPt−Pr0.7Ca0.3MnO3−Ptを
積んだサンドイッチ型薄膜(Fig 1)の上部電極Ptと下部電極Ptの間に
電圧パルスを印加すると、
その抵抗値がパルスの符号によって大幅に変わるという現象(Fig 2)が
S.Q.Liu、N.J.Wu、A.Ignatiev等(App,Phy,Lett,76,19(2000))
によって発表された。
RRAMとはこのように印加する電圧パルスの符号によって抵抗値を設定し、
不揮発に保持できるメモリーのことである。



             Fig 1
 
               Fig 2
+ RRAMの特徴
 上記の論文の中で、ゼロ磁場かつ室温でわずか+−5V、100nsのパルスをかけ、抵抗値が1700%変わること、そして印加するパルス数が増えると抵抗の変化率は小さくなるものの一定の値に収束するため不揮発性であることが報告されている。これだけでも低消費電力、読み出し書き込み時間の速さが伺える。
一方でこのような現象が生じる原理は電極PtとPr0.7Ca0.3MnO3の接触抵抗から生じるものなのか、それともPr0.7Ca0.3MnO3によるものなのか、またPr0.7Ca0.3MnO3自身によるものならばパルスの符号で何故抵抗が異方的になるのかなど、未解明な点が多い。そこで勝藤研ではRRAM現象の原理探求とさらなる応用を目標としている。

+ Pr1−xCaxMnO3ってどんな物質?
 Pr1−xCaxMnO3のようなペロブスカイト型マンガン酸化物は
マンガンに含まれる3d電子のスピン、電荷、軌道の自由度が協力的に結合し、
様々な秩序化あるいは無秩序化した状態をとる。
例えば、スピンの秩序状態とはスピンが一方向に揃った強磁性状態や
反平行にスピンが打ち消しあった反強磁性状態であり、
無秩序状態とはスピンがバラバラになった常磁性状態である。
他にも電荷・軌道が空間的に規則正しく配列し、一種の電子「結晶」と見なせる電荷・軌道整列などがある。
Pr1−xCaxMnO3はこのような秩序・無秩序状態を
外場(電場、磁場など)、ドーピング量x、温度等によって制御することで多彩な相を持つ。
 RRAMの記憶素子であるPr0.7Ca0.3MnO3の特徴の一つは
コロサル磁気抵抗(colossal magnetoresistance、またはCMR効果)を示すことである。
CMR効果とは外場、温度によって数桁にわたり抵抗率が変化する相転移現象である。
RRAM現象はPr0.7Ca0.3MnO3の他にもCMR効果を示す物質(La1-xCaXMnO3など)で
観測されたと報告されていることから、RRAM現象はCMR効果と何らかの関係があると考えられる。


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