運動代謝学研究室 早稲田大学スポーツ科学学術院

概要

わが国を含め欧米を中心とする心血管疾患の罹患率の高い先進国では、習慣的な身体活動(運動・スポーツと生活活動の両方を含む)が様々な疾患の予防に有効的であると実証されており、習慣的な身体活動の実施が推奨されています。しかし、身体活動の重要性が認知されてきた一方で、わが国における身体活動の実施率は低く(約3割)、多くの人が身体活動指針に沿った活動を実施していないことが厚生労働省の調査で示されています。したがって、長期的な健康支援策を考えた場合、日常生活のなかで継続的に実践可能でかつ活動量を高めることを推奨していくことが重要であると考えられます。

当研究室では、子どもから高齢者までを対象に、身体活動実践や栄養改善による生活習慣病予防の評価と機序究明の両側面から研究を進めることで、基礎研究と応用研究の両研究基盤の確立を目指しています。また、アスリートのパフォーマンス向上やコンディショニングという観点でも研究を進めています。さらに、得られた研究成果を社会・国民に対し広く還元していくことを心掛けています。現在の主な研究プロジェクトは次の通りです。

1. 高齢期における身体活動・食事介入による動脈硬化症予防に関する研究

当プロジェクトでは、日常生活下での活動量を高めるために、無理なく実践できる生活活動や食事介入を用い、高齢期における食後高中性脂肪血症予防に対する身体活動や食事の有用性を検討しています。

<b>図1.</b>高齢期における身体活動による動脈硬化症予防に関する研究 <b>図2.</b>高齢期における身体活動による動脈硬化症予防に関する研究

2.子どもにおける身体活動・栄養改善による体力の向上やメンタルヘルスの改善に関する研究

当プロジェクトでは、様々な身体活動実践・栄養改善を用いて、子どもにおける体力の向上及びメンタルヘルスの改善の有用性を検討しています。

子どもにおける身体活動・栄養改善による体力の向上やメンタルヘルスの改善に関する研究 子どもにおける身体活動・栄養改善による体力の向上やメンタルヘルスの改善に関する研究

3.身体活動と食欲に関する基礎(調節機構の解明)研究・応用(食行動)研究

当プロジェクトでは、運動競技者における食欲の評価と機序究明の両側面から研究を確立させ、体重管理が困難な肥満者に対する検証へと展開するための基盤となる研究を実施しています。

身体活動と食欲に関する基礎(調節機構の解明)研究・応用(食行動)研 身体活動と食欲に関する基礎(調節機構の解明)研究・応用(食行動)研

4.アスリートを対象とした機能性飲料と身体パフォーマンス・疲労に関する研究

当プロジェクトでは、機能性飲料の急性および継続摂取が疲労マーカーを介し、どのように身体パフォーマンスへ影響を及ぼすかに焦点をあて検討しています。

<b>図3.</b>アスリートを対象とした機能性飲料と身体パフォーマンス・疲労に関する研究 <b>図4.</b>アスリートを対象とした機能性飲料と身体パフォーマンス・疲労に関する研究

5.リカバリーと身体パフォーマンス・疲労に関する研究

当プロジェクトでは、様々なリカバリー方法による身体パフォーマンスや疲労軽減に対する有用性を検討し、適切なコンディショニングづくりに役立つ研究の確立を目指しています。

リカバリーと身体パフォーマンス・疲労に関する研究 リカバリーと身体パフォーマンス・疲労に関する研究
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