先生のお喋り     

(1)林洋次研究室の概要
 早稲田大学・林洋次研究室は,1973年4月1日理工学部機械工学科に創設,2007年3月31日創立100年の理工学部廃止・翌日の創造理工学部設立とともに同学部総合機械工学科に移籍した.2011年3月末日現在,林洋次研究室の卒業生は,学部学生約470名・修士学生約130名・博士学生2名の合計約600名である.
 林洋次在職43年間および創立38年間の研究室の専門分野は,機械設計製図とトライボロジーである.なぜなら,相対運動をしながら互いに干渉する二面間に関連した科学・技術のトライボロジーは,機械工学・物理学・化学の学際的先端科学技術であり,機械には動く部分があるので機械設計では大切だからである.
(2)手作りの実験装置とメカトロ
 最先端の研究を行うには,世界中で誰も持っていない実験装置を自ら設計し製作せねばならない.大学内に工場があり,匠の技を持つ技術職員と一緒に試作した実験装置は,木型から作った超精密手作り装置である.その「ものつくり」実務経験を活用して,プロの機械設計製図教育を実施している.
 林洋次研究室は,コンピュータが実験装置を動かし,コンピュータがデータを採取するので,プリント基板のエッチング加工から手作りで毎年製作している「メカトロ」研究室でもある.
 このように、林洋次研究室は、就職して即戦力となる実務的実践的な設計製図能力を育成する「エンジニア」研究室である。
(3)数学力学の理論解析とコンピュータ
 最先端研究のために,1985年の日米スパコン貿易摩擦時代のスパコンの計算速度を1台で凌ぐ業務用パソコンを理論計算用として約50台,その他のパソコンを含めると,約200台を研究室で所有している.数学と力学の結びつきを探求するために,トライボロジーに関する理論解析を主な研究テーマとしている.偏微分方程式,非線形問題,複雑すぎて数式ではもはや表現できない問題などを新しく導出し,小学校から大学低学年までに習った古典数学ではなく,林洋次研究室が所有するコンピュータセンタを凌ぐ設備を駆使し強力な数値解析によって,最先端理論解析を行っている.
 このように,林洋次研究室は,就職して即戦力となる実務的実践的な研究開発能力を育成する「サイアンティスト」研究室である。
(4)ギターの音響振動
 林洋次は,プロになるためのフラメンコギタリストの特訓を受け,運指高速度と打弦力高強度ならび聴覚感性と音楽表現力の練習は毎日行っている.現在創立100年で早大全学部学生から構成される早稲田大学マンドリン楽部の楽部長(ガクブチョウと読む)として,サークル活動の指導を行うと同時にギターを教える大学教授である.林洋次研究室では,半無響音室相当の防音室を製作し,ギターのアポヤンド・アルアイレ奏法を再現する弾弦ロボットを開発試作して,音響振動の研究も行っている.
(5)林洋次研究室の将来 
 2007年3月31日をもって、「工を理する」ため創立された早稲田大学理工学部は100年の歴史の幕を閉じた。創立当初からの筆頭巨大学科の理工学部・機械工学科は、2007年4月1日に基幹理工学部・機械科学航空学科と創造理工学部・総合機械工学科に分かれたが、総合機械工学科の一教員として,このようにな理工学すなわち「工を理する」魅力ある学問に,自分自身の生涯研究や生涯学習として,懸命に挑戦したいと考えている.


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