LET関東支部だより 第29号
外国語教育メディア学会
平成14年3月
東京都文京区本郷1-26-3
東洋女子短期大学内
LET関東支部事務局発行
- L E T関東支部第110回研究大会を終えて
- 海外教育情報:外国語学習の目的: 大陸ヨーロッパとイギリス
- 私の授業実践 簡易コーパスの利用
- 部会だより:
( 大学英語部会、教育機器研究部会・高校英語部会合同研究会、中学英語部会、児童英語部会 )
- LETよろず相談コーナー
- 編集後記
東京慈恵会医科大学 小原 平
この研究大会は,企画委員B班の企画委員長として企画を担当した2回目の地方大会で,水戸の常磐大学で開催されました。この仕事をしていますと,大会の最中は落ち着かないもので,研究発表などじっくりと聴くこともできません。ましてや大会全体の様子など,とんと分からないものであります。そんなことでよく委員が務まるねと言われそうですが,実際そうだから仕方がありません。今回は,午後は全てシンポジウムに充てて,小学校における英語教育(正式には「教育」ではなくて「活動」と言わなければならないのだそうですが。)を論じようと企てたものですから,ますます落ち着きませんでした。ただ,パネリストの方々がそれぞれ的確なご発言をなさって,非常に内容の濃いシンポジウムになった気がしております。ここに改めて,久埜百合先生を始め,壇上にいらした皆様に厚くお礼申し上げます。また午前中の研究発表も、司会の方々のお話では、どの部屋も盛況だったとのことで,安堵しております。
地方で大会を開くためには,会場校に,学会とのパイプ役として積極的に協力してくださる先生がいらっしゃらないとうまくいきません。今回は、事前の作業としては最も大変な会場校との諸々の折衝は全て,企画委員でもある千葉敦先生にお任せしました。会場校側からは、さらに柳田恵美子先生の全面的なご協力をいただき,そして大友賢二先生は,大会実行委貞長を快くお引き受けくださいました。また職員の方々からも大変なご協力をいただき,こと会場に関しては、すっかり能天気に構えていることができました。
もっともこれには,大会運営担当の先生方のご苦労もあったことを忘れることはできません。前日の夕方、水戸駅に到着してうろうろしていると、下山幸成先生を始めとする関東支部の若手のメンバーが数名改札から出てきて,足早にタクシーに乗り込み,会場校に向かっていきました。私も後からゆっくりと追いかけたのですが、そこには見上晃先生もすでにいらしていて、皆さん慣れた手つきで会場の準備をしていました。渡辺治先生も加わり、てきばきと作業を進め、それでも終わって皆で夕食を取ったのは、夜の10時を回っていたでしょうか。そして翌朝も早くから会場に集合し,看板出しや機器の整備等に大忙しでした。
こうして大会にご尽力いただいた先生方のお名前を挙げ始めますと、とても書ききれません。たとえばプログラムの製作は,前田道代先生にすっかりお願いしてしまいました。前田先生も企画委員のメンバーで,実に用意周到にものごとを考えてくださります。とかく何でも面倒くさがって大雑把になってしまう私をよく補佐してくださったと思います。それから発表要項を担当してくださった加藤裕司先生,会計担当の香取久子先生と柚木繁之先生、賛助会員担当の斉藤允男先生には、いつもながらすっかりお任せでした。皆さま,どうもありがとうございました。
大会の企画、運営は、様々な担当の先生によるコラボレーションです。あとで大友先生から「さすがにLETは、組織のしっかりした学会ですね。」というお褒めの言葉をいただきましたが,それぞれの先生方の熱意に満ちたボランティア精神が,学会の組織を支え,大会を成功に導いているのだということをつくづく感じた地方大会だったと思います。
外国語学習の目的: 大陸ヨーロッパとイギリス
早稲田大学 森田 彰 (イギリスに滞在中)
外国語学習の目的は何か。どうしたら学習者にmotivationを与えられるか、と言う問題は,永く検討されてきたところです。しかし,なかなか良い答え,方策が見つからないのも現状ではないでしょうか。それは、私たちが外国語としてすぐ思い浮かべる言語を用いる国々,ヨーロッパ諸国でも同じであり、また、外国語学習の目的、目標とするものは、国によって異なってもいるようです。
まず、イギリスでは,英語国であるが故に,外国語を学習しない、あるいは、その成果が上がっていないという悩みがあります。多くのイギリスの教育関係者が、必修科目としての外国語教育がうまくいっていないと認めているようです。最も近い外国である大陸ヨ一口ツパに対しても, We expect all Europeans to speak English and, in the main, we are not disappointed. と言います。個人として、外国語を(苦労して?)学習する目的がはっきり分からない、といったところでしょうか。これに対し,大陸ヨーロッパでは、事情がまたかなり違っているようです。
2月11日のThe Independent紙に、独、伊、西の大使とのインタビュー記事が一面に載りました。彼らの発言の主旨は、 14歳以降公立学校で外国語を必修としないというイギリス教育相の提案を受け, 「そりゃまずい。 EUの一員として,我々の言語も学んでくれ。むしろ, primary school では必修にしてくれ。」というものです。続けて「我々は、 school exchangesをどんどんやっている。ところが,イギリスが外国語教育に力を入れてくれないので、イギリスで交流校を探すのが大変だ。」と主張しています。また、 EUが、アメリカと対等にやっていくためには、相互の言語教育と交流が大切だとも言っています。
どうやらEU諸国での外国語教育は、 EU内の相互理解を促進し、 EU外の勢力に対抗する、ということが相当に期待されているようです。それと同時に、一連のインタビュー記事からは, 「イギリスが持っている英語という資産を,我々にも分け与えるべきだ。」という響きが感じられなくもありませんでした。
外国語の能力は,あくまでも個人が身に付けるものです。その総体として,ある国の外国語能力があるわけです。ですから、個人の目的意識と、属す国のそれとの一致度が高ければ外国語能力の総体は向上するのですが、一致度が低かったり、全くズレていたりすると,全体としての外国語教育はうまくいっていないということになります。これは、人々の価値観が多様化し、精神的にも物理的にも流動性の高い先進諸国共通の悩みかも知れません。イギリスに一年滞在し、日本の外国語教育が、何を目的とし,どのような手段をとるのか、私は一度「国」という枠組みを外してじっくり考えたいと思うようになっています。
・イギリスの言語教育に関する情報:
http : //www.nuffield.org
・ケンブリッジ大学のLanguage Centreに関する情報:
htto : //www.langcen.cam.ac.uk/
お茶の水女子大学付属高等学校 浅見道明
現在の学校に移って以来,生徒から語法についていくつか質問された。その中で、文法書や辞書に載っていないものについてコーパスを使って説明した。そのことについて報告してみたい。
コーパスというと、現在では、保有数1億語といわれるThe British National Corpusと保有数3億語を越えたといわれる世界最大のThe Bank of Englishが有名である。 The Bank of Englishは利用するのは有料だが、最近発売になったCOBUILD on CD-ROMは辞書の他にThe Bank of Englishからの約500万語の簡易コーパスが含まれている。この簡易コーパスを利用するといろいろな語法について調べられる。このコーパスは検索プログラムが付いており、コンコーダンスプログラムをインストールする必要はない。
3学期に、英語Tの教科書でThe sound of the heartbeat probably has a powerfully calming effect on babies, and that is why mothers hold their babies on their left side.という文が本文に載っていた。しかし, ExerciseではThe thief broke into the house. That was why the door was open.と過去形に変わっていた。 Genius英和辞書を見ると、 Bill is very talkative. This is why I don’t like him.という文とHe was ill in bed. This is why he didn’t come.という例文が載っていた。生徒は過去形の時はThis was why...になるのかと質問してきたので、 is でもwasでもよいと答えると、そんな答えでは分からないと言われたのでCOBUILD on CDROMの簡易コーパスを使って調べてみることにした。
Is whyとwas whyをキーにして検索してみた。 Is whyでは140例が現れた。具体的には英文語が90例,米文語が27例,英口語が10例,米口語が13例であった。その140例中、 24例がis why +過去形であった。具体的には英文語が15例,米文語が4例、英口語が2例,米口語が3例であった。また, was whyでは20例が現れた。具体的には英文語が12例,米文語が1例、英口語が6例、米口語が1例であった。その20例中, 12例がwas why+過去形であった。具体的には英文語が8例、米文語が0例、英口語が3例、米口語が1例であった。
この結果から、生徒にはイギリス英静が時制に厳密であり、 That was why + 過去形を使うが,アメリカ英語はThat is whyが多く使われるようだと説明した。この説明に生徒は納得していたようであった。
もちろん、コーパスには誤用例もあるのですべてを鵜呑みにして考えるのは危険である。しかし、出典の確かなものを使い、現れた例をすべて当ってみるとできる限り正確な答えが見つかるのではないかと思う。その意味では、個人のレベルではあるが,これからCD-ROMやインターネット上のデータを使い,自分でコーパスを作ってみたいと考えている。
部会だより
野沢智子・狩野紀子
平成13年度は、前年度に引き続きJ. D. Brown 著"Understanding Research in Second Language Learning の輪講をおこない、さらに学習した理論を実践に移し、大学生の英語学習に対する動機や英語学習に対する態度に関する調査を行ってまいりました。
まず4月には、約900名の学生に対して自由記述の方式でのアンケート調査を実施し、質問項目を抽出し,質問用紙を作成しました。 7月26日には,茨城大学の関友作先生をお招きしてSPSS講座を早稲田大学で開催しました。そこで学んだ分析手法を使用して、 72名を対象として行った調査結果を分析して11月には「日本人大学生の英語学習の動機および授業に対する態度−CALL授業および自主学習との関係から」という論文にまとめました。
12月には、さらに調査を進めるべく,質問項目を再検討して,約500名の学生に対して、調査を実施しました。そして, 2月3月はこの調査の分析のためにメールや研究会で意見交換を行っております。
以上,大学英語部会では,平成13・14年度を通じて計18回の研究会を開き,統計の基礎理論の理解と実践を目指してきました。会場は慶応大学,東洋女子短大,早稲田大学、ときにはレストランで、またメンバー宅でも開催しました。毎回,積極的な意見交換や情報交換が行われ、学ぶことが多いばかりでなく、日頃の授業でのストレスもこの研究会で発散することができ,ここ2年間の楽しみのひとつでもありました。
LETの会員だけど、なかなか部会活動に参加するチャンスがないと思われているあなた!新年度はどこかの部会に参加してみませんか?
渡辺 治
2001年12月1日,国分寺の早稲田大学系属早稲田実業学校(早実)でこの研究会が開催された。
参加者は19名。内容は、早実下山幸成氏の実践報告「早稲田実業学校のCALL授業」とそれに続く討論であった。昨年度の機器研究会では従来型のLLとCALL教室を比較して、 「高校の段階でCALL授業はどれほど役に立つのか」をめぐって議論され,現状では従来型のLLをうまく活用する方が効率がよい、という意見が大勢を占めた。しかし、各地の公立高校や私立高校で時代の流れを反映するかのように、教員が望むか否かにかかわらずCALL教室が設置されてしまう場合がある。そこで高校教員もさらに研鋳を積み,CALL教室をいかにして活用するか,またその際の問題点をどのように克服できるか,など基礎から勉強する目的で、実際にCALL授業が行われている学校で研究会を開くことにした。
下山氏から、主教材として、生徒がコンピュータ操作に慣れるためのキーボード練習教材と,英静の語柔,文型,発音などの基本的な項目についての練習教材を使って個人指導中心の学習指導をしているという報告があり,参加者も生徒と同じようにブースの機器を動かして個別学習を体験した。その後,マスターコンソールの設備とその使い方、また早実での授業全般について質疑応答をまじえて説明を受けた。討論は個別学習と一斉学習のバランス,個別学習の管理の問題にも及び、機器の機能が向上し,便利になる反面学習指導以外にかなりのエネルギーが必要なことを覚悟しなければならないと実感するところとなった。
太田 洋
今年度は映画を授業に使われている鈴木、福永両先生をお招きして研究会を開催した。
講演T (鈴木博先生)
鈴木博先生は先生自身の豊富な実践例を交えながら,映画を「なぜ使うか」 「何を使うか」 「どう使うか」などについて話してくださった。
「なぜ」に関して, 「楽しい、憧れ,感動が味わえる、本物の映画に触れられる」などをあげられた。
「何を使うか」に関しては、 「面白い,感動的な映画,考えさせられる映画」をあげられた。「どう使うか」では、以下のような典型的な授業の進め方を示していただいた。 1.毎回10分前後視聴させる。 (内容について2回、言葉について2回、質問をして視聴,その後空所補充) 2.宿題はSoundtrackのカセットを反復聴取させる。 3.次回の最初に「最後の文の書き取り」 「最後の文の意味を日本語で書く」
長年の実践に裏打ちされた実践のご講演を伺い、大変勉強になった。
講演U (福永保代先生)
福永保代先生は「なぜ映画を利用するのか」について具体的に映画の場面を見せてくださり,その利用方法を説明していただいた。
- コミュニケーションの架け橋として
映画の中でも「あの映画では・ ・ ・」と映画のことが話題となって話のきっかけになっている例を「シェーン」や「交渉人」などの中から取り上げてくださった。
- 映画でなければ理解しにくい表現として映画のト書きを使う利用法もあることをETを例にあげて教えていただいた。また、映像でなければ理解できない文化や習慣についても(塩をこぼすと縁起が悪い)おもしろい例をあげてくださった。
- 映画選択の視点として @英帯で選ぶ A場面で選ぶ Bテーマで選ぶことを説明してくださった。特に,「何を目的とするのか」はっきりさせないといつも生徒の目が輝くとは限らない、と強調なさった。そして映画を使うことによってthinkingすることもできる利用法を提示してくださった。
最後に映画英語教育の今後の課題についてお話くださり、中身の濃い研究会となった。
小泉清裕
児童英語部会では, 8月に開催された第41回全国研究大会において, 「小学校英語教育のためのコンピュータ活用法」というテーマで,小学校英語教育におけるコンピュータの使用方法についての授業実践研究を、児童英語部会の小泉が発表した。本来英語教育のために設置されたものでないコンピュータをどのように通常の英語学習に利用できるかという点について報告をした。ハード面の充実にのみ視点が向けられている状況の中で,ちょっとした教師のアイデアでコンピュータを教具として充分に活用できることについて実践例を紹介した。
10月13日に水戸市の常磐大学で開催された。関東支部第110回研究大会においては,大会運営役員の提案に基づいて、小学校英語教育についてのシンポジウムが行われた。小学校英語教育に関する学会は他にもあり、多くの研究会が開催されているが,小学校英語教育とメディアの関連性についてのシンポジウムは他に類を見ないものであった。シンポジウムでは、カテナの網野和幸氏から、公立小学校のIT環境や指導者の育成に関する研究、日本放送協会の箕輪貴氏から、小学校英語活動支援のためのNHK学校放送番組『えいごリアン』の製作目標やwebの利用状況などについてのデータについて、また、児童英語部会の久埜百合氏から、小学校英語活動の経緯や公立小学校の動きについての発表があった。小泉は私立小学校の英語教育におけるコンピュータの活用例を示した。報告の後で,参加者を含めてディスカッションが活発に行われた。
今後の活動としては,小学校英語教育におけるコンピュータソフトについての研究を考えている。どのようなソフトが小学校英語活動で利用可能であり,その効果はいかなるものかという点についての実践及び研究を行っていく予定である。また、他の小学校英語教育に関する学会の大会や研究活動とリンクした研究活動も必要と思われる。さらに,小学校英語教育関係者のLETへの参加を促進させる方法として、児童英語部会独自の研究会の開催も検討している。
今回は「映画」を活かした授業について、教材研究部会の塚田三千代先生に直撃インタビューしました.中学や高校では選択英語も導入され、 One Shot Lessonで何をするか、悩んでいらっしゃる先生もいられるようです。是非、参考になさってください。
Q1
生徒への授業アンケートなどで、毎年上位に入っているのは、 「授業で映画を見たい」という項目です。そんな要望に応えて、映画を取り入れた授業を実践してみたいけれど、 「何から手をつけていいのかわからない」, 「どのように見せればよいのかわからない」という素朴な疑問をもっている先生が多いようです。何か,一首アドバイスを。
A1
「何から手をつけていいのかわからない」先生には,まず映画のスクリプトを入手して、それをお読みになることをお勧めします。あわせてDVDかビデオを視聴なさるとよいでしょう。すると、自分は生徒に映画のセリフを聴き取らせる授業をしたいとか、映画に出てくる会話慣用表現や重要表現を教えたいとか、このシーンで喜びや怒りなどの感情表現を教えたい,円満なコミュニケーションあるいはコミュニケーション・ギャップを教えたい,見事なスピーチ事例を教えたい、ジェスチャーや異文化などを教えたい,映画のメッセージを解説したい、等々がひらめいくると思います。
このうちのどれかが決まれば,次は「どのように見せればよいのか」を考えればよいのです。つまり、授業のテクニックですが、これはLL教室や視聴覚教室があるかないかによっても左右されます。
Q2
映画のスクリプトはどのようにすれば入手できるのでしょうか。
A2
英日対訳のものは書店またはインターネット通販で購入できます。原書は洋書専門店やインターネット通販になります。
英日対訳本の出版社は、映画タイトル数順 にあげますと、スクリーンプレイ出版127),アルク(6),愛育社(6),角川、 DHC,マクミランランゲージハウス。
※ ( )は映画のスクリプトのタイトル数。
Q3
授業で映画を扱いたいと患いますが、レンタルされたビデオやBSなどで放映された作品をダビングして教室で見せることは著作権に引っかからないでしょうか。また、 購入したビデオであれば教室で見せることはOKなのでしょうか。
A3
レンタルビデオを編集ダビングして教室で見せることは, 「レンタル店」との利用条件に違反し,契約上の問題が生じる可能性があります。購入したビデオであれば教室で見せることは,公教育機関に限り日本の著作権法では問題ありません。ただし,必ず「無料」であること(著作権法第38条第1項)。
詳しい解説は, 「映画ビデオ等を教育に使用する時の著作権ハンドブック(改訂版)」映画英語教育学会編(スクリーンプレイ出版)に掲載していますので,ご参照ください。
BSなどのテレビで放映された作品を録画したものの利用についての著作権は、放映された画面にテレビ局のロゴがついていますので,関係局の許諾が必要だと思いますが、詳しいことは文化庁著作権担当にお聞合わせなさるとよいでしょう。
Q4
生徒達は映画が好きですが、授業での見せっ放しでは力がつかないと思います。 中学・高校・大学での映画を使った授業の実践例をご紹介下さい。
A4
映画を利用してオーラルコミュニケーションの授業をする検定教科書が15年度用として発刊されますので、Q1のような思いを持っておられる先生方には、とくに1校時単位で映画を効果的に使う授業に役立つテキストとしてお勧めできます。
授業実践例が紹介されている本、雑誌では下記のものを載せますが一部だけです。
多くは「LL通信」 「国際文化フォーラム」の小冊子や,映画英語教育学会「紀要」,大学「紀要」等に掲載されています。
- 「多面的な映画ビデオの活用法」塚田 『オーラルコミュニケーション展開事例集』 89 大修館
- 『映画英語教育のすすめ』 94 スクリーンプレイ出版 (http://www.screenolay.co.jp)
- 「映画ビデオの利用」塚田&溝中 『オーラルコミュニケーション・データ・バンク』 94 大修館
- 映画の「オリジナル・リスニング教材とその作成」塚田 『英帝教育』 94 大修館
- 「映画ビデオのセリフを教材に」塚田 『高校英語展望』 99 小学館・尚学図書
- 特集:映画を使って楽しい授業を 「外国誇の授業に映画を活用する意義と方法」福永 「『ノートルダムの鐘』を使って」平野 『新英語教育』 (99年3月号)三友社出版
- 「映画を使った英語教育:ミセス・ダウト/スチュアート・リトル/その他」福永 『英語教育』 (99-1-02.1)開隆堂出版 (http://www.kairyudo.co.jp)
Q5
映画のアフレコを扱った授業を見たことがあります。映画のアフレコの簡単な方法をご招介ください。
A5
- 映画のシーンにアフレコする場合の簡単な方法は、ビデオデッキで映像だけの無声シーンを録画しておき(黄色のジャックだけをつなぎ,赤白をはずして録画する),そこへ新たにマイクからの音声を録音すればよいのですが、 BGの音楽とか、音響効果などはなくなります。音声だけが映像に加わります。
- LL教室では大画面で映像を見ながら, LL のペア機能やグループ・コミュニケーション機能などと組み合わせて映画の音声オリジナル版を作ることができます。これは小・中・高・大を問わず大いに受けます。映画カラオケのようなものですから。
Q6
DVDがこれからは主流になるということを耳にしますが、 DVDの長所と短所を救えてください。
A6
DVDの長所(+)と短所(-)
長所(+)
- チャブタ-・メニューから必要なシーンをすぐに選べる。編集の手間がはぶける。
・予め1-20程度のシーンに分けてあり,必要なシーンをすぐに選べる。
・パソコン上のビデオキャプチャー
・ソフトを使って,学習目的に合わせた独自編集を手軽にできる。
- 早送り,巻戻しが早い。一時停止をプなく即座にできる。軽量である。
- 再生途中で英語字幕・日本語字幕,英語音声・日本籍音声の切り替えが即座にできる。
- ノートパソコン・DVD内臓タイプは持ち運びが手軽である。教師用・個人学習用に適している。
短所(-)
- 国によってリジョン・コードが違うので、再生できない場合もある。
- 英語字幕のないものもあるので,購入の際に表示をよく確かめなければならない。
DVD機種の値段: DVD単体は2万5千円程度から
DVD内臓のパソコン: iBook (Mac) 20万円前後、COMPAQ presarioTOO (Windows2000) 16万円程度
DVDソフトの値段: 1枚2500円から、 平均して3500円
Q7
映画を利用した英語教育について勉強する研究会などがあれば、ご紹介ください。
A7
LETの教材研究部会では,要望があれば定期的に勉強会を開いてもよいと思っています。
また,映画についてのご質問にもお答えしますので,お気軽にご連絡ください。
この部会ではATEM (映画英語教育学会)と連携して研究や開発も進めます。
ATEMのアドレス: http : //www.atem.org
Emailの連絡先: 塚田三千代 [email protected]、 福永 保代 [email protected]
◆イギリスに滞在中の森田先生から支部だよりに掲載する原稿と写真が送られてきた。外国であろうとどこであろうと依頼した原稿が瞬時にE-mail添付ファイルで送られてきてしまうのだから全く便利な世の中である。この仕事の前任者である森田先生の時代は原稿用紙こ書いたものを郵送していたのだから隔世の感がある。編集作業のみならず、一般的に見て,事務的なことが非常に効率よく楽になってきている。文明の利器は積極的に活用し、その分浮いた時間の善用も考えたい。([email protected] 石丸玲子)
◆今回はLETよろず相談で「映画を教材とした授業」を特集とし,塚田先生に回答をお願いいたしました。ただ見せっぱなしで終わることなく,楽しみながら力のつく授業のノウハウをつかんでいただけることと思います。まずは教員側が「楽しみ」ながら、教材を厳選することが大切ではないでしょうか。毎月第一水曜日は「映画の日」で入場料金が千円均一。私も趣味と教材研究を兼ねて,映画館の大スクリーンで新作洋画を楽しみたいと思います。([email protected] 小林順子)