研究概要  

 

 

 

 

 

 

 

 


 「足で稼ぐ研究」をモットーとする

    景気の後退、国際社会での日本の競争力の低下が叫ばれる今、日本企業のあり方とさまざまなシステムが改めて問われる時代が到来している。日本企業が抱える問題をほかの国ではどのような方法で、どのような考え方で対処しているのか。これらを考える場合に必要となるのが“比較”である。企業の実情を知らなければ分析も提案も行えない。白木教授は、大学院生の頃から自らの足で東南アジアを巡り、アジアに進出した日本企業が抱える問題を斬新な視点でクローズアップしてきた。「人間は考える“足”である」とは白木教授の言葉。一般に流布している通説は本当に正しいのか? 成功している企業と停滞している企業の違いはどこにあるのか? 実証を積み重ねることによって論理を形成するという研究方法を貫いている。

「日本は学歴がものを言わない社会?!」国際的に見た日本企業の実体

    これからの時代に企業が競争していくために必要なこと。それは、質のよい、企画開発を行えるアイデアを持った人材をいかに獲得していくか、ということである。ここで、一つ興味深いデータがある。アジアにおける日本企業の大学卒業者の比率は、ほかの国の企業にくらべて格段に少ないのである。なぜか。日本は学歴社会だと言われて久しいが、国際的視野で相対的に見れば、実は学歴がほとんど効かない世界(特に収入面で)なのである。インドネシアの場合、大学を卒業している社員とそうではない社員の初任給の差は6倍。大学を出ていない人が役職に就くことはきわめて少ないといってよく、社内における教育も扱いもまるで違う。そういった土壌のある国で、日本流のやり方で社員を公平に扱えば、エリート意識を持つ者は辞めてしまい、現地の優秀な人はほかの企業に流出することになる。アジアにおいて日本企業の力が圧倒的に弱いものになっている理由の一つには、こういった実情が挙げられる。

多くの国に海外展開しても日本企業は「二国籍企業」である

    アメリカで多様なビジネスを展開し、強いグループをつくりあげている企業がある。その企業の人材管理は、大胆で効率のよいシステムでなされている。まず、国籍や人種は関係なく、実力のある者、ポテンシャルの高い者をセレクトする。そして、特別な育成プログラムを実施し、異なる業種、職種、海外派遣を体験させて、じっくりと企業の中枢を支えるための力を養うのだ。本当に競争力のある企業は、国籍を問わずに優秀な人材をプールしているのである。日本企業は本社と日本人の海外駐在員だけで世界を動かしてきた。日本とローカルという「二国籍」間だけでのみ、関係を築いてきた。こうして、日本企業は弱くなった。長期雇用は世界中にあるもので、日本独自の慣習であるという通説は嘘である。アメリカでは転職するのが当たり前と言われているけれども、データから見れば長期雇用もよく見られるものである。日本人が勤勉であるというのも、そうせざるを得ないシステムがつくり上げられているだけであって、DNAに勤勉が刷り込まれているわけではない。こういった社会通念に踊らされることなく、独自の手法で企業の実情を見つめ、それを実社会にフィードバックする研究を行っている。

 

 

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