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コミュニケーションツールとしての電子メール

私は毎朝、研究室に入るとすぐに所沢のUNIXマシンにtelnetで アクセスし、電子メールを確認する。たぶんこの「電子メール の確認」は、ほと んどの研究者の日課となっているのではないだろうか。私が読 む電子メールは一日だいたい5〜10件程度で、多いときには30 件くらいだろうか。詳細な統計を取ったことはないが、この2 年間の電子メールの送受信件数を月別にみると図 3.1のようになった。月々の変動が大きく春秋に 増加し夏冬に減少するという傾向がある。月平均で見るとその 総数(Total)は245通、このうち「研究交流(Research)」に関す るものが84件、「事務連絡(Admin.)」が50件、「コンピュータ 管理(Comp.)」が107件、「その他」が16件であった。これが多 いか少ないかは私には判断しかねるが、少なくとも、私がイン ターネットによる電子メールを利用し始めた1989年には2,3人 が相手だったのと比べると、この数年間で飛躍的に増大したこ とは確かである。


図 3.1: 私(中村好男)の95.1〜96.12までの電子メールの月別送受信件数

では、どのように電子メールを用いているかというと、もっと も多いのが日常の事務連絡である。そして、他の研究者との意 見交換や学生との問答などがそれに続く。そして、ごく希にゴ ルフや旅行の打ち合わせ(月5件程度)とか、妻との交信(年 3件程度)などがある。

もちろん、電子メールの醍醐味は、電話やfaxの代替としての 個人間の通信機能や「メーリングリスト」による幅広い情報交 流機能にある。なにしろどんな分量の文書でも即座に送信でき るし、相手の仕事を妨げないという安心感がある。必要なメー リングリストに登録すれば、そこでの情報交流の内容が即時に 受信できる。研究室単位でメーリングリストを作成すれば、研 究ミーティングの代替になるし、日常の些細な情報交換も確実 に皆に通知できるという利点がある。つまり、個人間の私信か ら、研究室、プロジェクト単位のミドルサイズの情報交換、果 ては学会レベルの情報交流まで、あらゆるレベルでの情報交流 に有効なツールといえる。



Yoshio Nakamura
Mon Dec 27 10:02:29 JST 1999