(書籍紹介)
経営戦略と企業革新
 

著者: 小野桂之介・根来龍之
版型、頁数: A5横書き、145頁
価格: 2,800円(税別)
ISBN: 4-254-27532-3
発行: 2001年9月
出版社: 朝倉書店
経営システム工学ライブラリー2
 
   ■本書の概要
 日本企業を取り巻く経営環境は、一段と厳しさを増すと共に変化のスピードを速め、企業経営者は事業構造の変革と競争戦略の見直しを絶えず迫られている。また、価値観の変化は、社会における企業の在り方そのものについても新たな視点を求めている。

 このような時代背景の中で、企業をリードする経営者と経営幹部は、市場、競争、技術、法制度、社会通念などさまざまな環境変化に広くアンテナを張り、重要な変化を素早くキャッチし、これに戦略的に対応する構想力を備えると共に、企業活動に対する自分自身の確固たる信念を持たなくてはならない。

 本書は、これからそうした経営者や経営幹部の仕事を目指そうとする若い人たちが、企業活動について根本から深く考え、それぞれ独自の理念と思考の枠組みをつくりあげる手助けになることを願って書かれた。

 著者のうち、小野桂之介は、長年にわたり慶應義塾大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール)で、生産政策と経営政策に関する教育に携わり、最近はミッション経営という切り口から21世紀における企業経営の新たな在り方を探索している。
 もう一人の著者、根来龍之は、製造企業における生産管理・経営企画の実務経験、MBAコースでの実践的経営学学習を経て学界に転身した。最近は経営情報システム、ネットビジネス、経営戦略論、システム方法論について、「コンテキスト」概念をキーワードにした研究・教育活動を展開している。

 本書は、経営幹部を目指す若いビジネスマンの方々に読んでもらいたいと願うほか、大学(学部専門課程、大学院、ビジネススクール)でのテキストないし副読本として利用されることを念頭に書かれている。具体的な科目名をあげると、経営学、経営学総論、経営管理論、経営戦略論、企業革新論などが対応するだろう。さらに、根来が担当した第3章〜第5章の部分は、経営情報システム論のサブテキストとしてもかなり斬新な内容を提供できたと思う。
 
   ■著者紹介
小野 桂之介(おの・けいのすけ)
慶應義塾大学大学院経営管理研究科 教授
http://www.kbs.keio.ac.jp/onolab/ono.html
[email protected]
経歴:昭和38年慶應義塾大学工学部管理工学科卒業、昭和40年大学院工学研究科修士課程、43年博士課程修了。40年大学ビジネス・スクール助手、46年専任講師、49年助教授、53年大学院経営管理研究科助教授、59年同研究科教授となる。
1997年-2001年同研究科委員長兼ビジネス・スクール校長。この間、44年ハーバード大学ビジネス・スクールに派遣され、International Teachers Programを修了、48年フィリッピンのAsian Institute of Managementへ訪問教授として出講。58年工学博士の称号を受ける。
著書:『ミッション経営のすすめ』(東洋経済新報社、2000年)
   『ミッション経営の時代』(東洋経済新報社, 1997)
   『The Strategic Management of Manufacturing Businesses』共著(3ANetwork,1992)
    『生産企業の経営』(海声社, 1990)
   『The Automobile Industry in Japan』(紀伊国屋書店,1988)
   『海外生産における経営意思決定』(東洋経済新報社, 1984)  など
根来龍之(ねごろ・たつゆき)
早稲田大学商学部・大学院商学研究科 教授
http://www02.so-net.ne.jp/~negoro/
[email protected]
1952年三重県生まれ。京都大学卒業(社会学専攻)、慶應義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)修了。鉄鋼メーカー、産能大学教授、文教大学などを経て現在、現職。産能大学大学院講師。慶應義塾大学大学院講師。1990-1991年、英ハル大学客員研究員。CRM協議会副理事長・システム研究委員会委員長。Systems Research誌 Editorial Board。
著訳書:『製薬・医療産業の未来戦略』(共著)(東洋経済新報社)
      『ネットビジネスの経営戦略』(共著)(日科技連出版)
      『ERPとビジネス改革』(共編)(日科技連出版)
      『情報ネットワークの進展と組織革新』(産能大通教)
      『生産企業の経営』(共著)(海声社)
      『日経ビジネスで学ぶ経営戦略の考え方』(共著)(日本経済新聞社)
     ウィルソン『システム仕様の分析学:ソフトシステム方法論』(監訳)共立出版
      ローゼンヘッド『ソフト戦略思考』(共訳)日刊工業新聞社 など
 
 
   ■目次
序章 経営戦略と企業革新(小野)
 1. 企業活動の成立条件
 2. 日本企業を取り巻く経営環境の変化
 3. 経営戦略と企業革新
第1章 企業活動の目的と企業革新(小野)
 1. 企業活動の目的
  1.1 企業活動の目的とステ−クホルダ−
  1.2 企業システム内部関係者の立場から見た4つの目的
  1.3 企業活動の目的と競争力
  1.4 サプライチェ−ンとバリュ−チェ−ン
  1.5 付加価値と利益
 2. コ−ポレ−トガバナンス
  2.1 日本企業におけるコ−ポレ−トガバナンスの問題点
  2.2 肯定的評価とコ−ポレ−トガバナンスの革新
 3. ミッション経営
  3.1 新たなパラダイムの模索
  3.2 顧客への貢献を原点とする経営
  3.3 ミッション経営の実践に向けて
  3.4 顧客志向の企業活動
 4. 経営環境の変化と企業体質の改革
  4.1 経営政策と制約条件
  4.2 事業成果目標と体質目標
  4.3 経営環境の変化と企業体質の改革
第2章 企業成長と競争戦略(小野)
 1. 企業成長
  1.1 企業成長と事業領域
  1.2 付加価値を増大するアプロ−チ
 2. 事業ミックスの選択
  2.1 事業ミックスの重要性
  2.2 変動補完型事業の組み合わせ
  2.3 プロダクト・ライフサイクル
  2.4 プロダクト・ポ−トフォリオ・マネジメント
 3. 市場競争力
  3.1 市場競争力とその構成要因
  3.2 企業競争力
 4. 競争戦略
  4.1 重点型競争戦略と差別化
  4.2 インパクト曲線とコスト曲線
  4.3 シェア拡大の競争戦略
  4.4 市場地位保全の競争戦略
 5. グローバル戦略
  5.1 日本企業の伝統的国際競争戦略
  5.2 環境条件の変化とグロ−バリゼ−ションの本格化
  5.3 海外生産と国際分業
  5.4 企業ベ−ス国際分業の基本形態
  5.5 経済効果から見た分業形態の比較
第3章 戦略思考と経営革新(根来)
 1. 仮説-検証
  1.1 戦略思考と仮説-検証
  1.2 仮説-検証のサイクル
 2. コンテキストと経営活動
  2.1 コンテキストとは
  2.2 コンテキストの分類:対象による分類
  2.3 コンテキストの分類:何を根拠づけるかによる分類
  2.4 情報システムのコンテキスト
 3. ビジネスモデルの吟味と構想
  3.1 ビジネスモデルとは
  3.2 最低限必要な主要3モデル
  3.3 その他のモデル
  3.4 ビジネスモデルとコンテキスト
  3.5 ビジネスモデルと資源
 4. ネットブックショップ:ビジネスモデルの比較
  4.1 紀伊国屋書店 Bookweb
  4.2 クロネコのブックサ−ビス
  4.3 eS! Books
  4.4 3社の比較
 5. 対話によるコンテキストの変化
  4.1 顧客との対話
  4.2 パートナーとの対話
 6. 仮設―検証とITシステム
第4章 企業連携の戦略(根来)
 1. 経済性概念
  1.1 2つの伝統的概念:規模の経済性と範囲の経済性
  1.2 連結の経済性
  1.3 ネットワ−クの経済性
  1.4 企業連携から見た四つの経済性概念
 2. 企業連携の分類
  2.1 企業連携の四つのパターン
  2.2 各企業連携パタ−ンの例
 3. 企業連携の経済性
  3.1 企業連携から見た「規模の経済性」
  3.2 企業連携から見た「範囲の経済性」
  3.3 企業連携から見た「連結の経済性」
  3.4 企業連携から見た「基盤の経済性」
  3.5 基盤の経済性の活用:EMSとOEM
  3.6 企業連携のリスク
 4. 内外作問題とインタラクションコスト
  4.1 インタラクションコスト
  4.2 内外作問題
  4.3 工程範囲政策
第5章 インターネット時代の経営戦略(根来)
1. インターネットが変える市場の性質
  1.1 物理市場と空間市場
  1.2 ネットビジネス市場の動向
2. ネットワークの経済原理
  2.1 インターネット時代の「情報の経済性」
  2.2 顧客インターフェースの多様化
  2.3 購入・配送・決済の統合化
3. ビジネスレイヤーの分離化
  3.1  ビジネスレイヤーとは
  3.2  カラオケのビジネスレイヤー
4. One to One マーケティングと顧客間インタラクション
  4.1 インターネットのデータ処理機能とメディア機能
  4.2 One to One マーケティング
  4.3 顧客間インタラクション
  4.4 チェーン指向とコミュニティ指向
5. ネットビジネスの差別化戦略
  5.1 チェーン指向の差別化事例
  5.2 コミュニティ指向の差別化事例
6. ネットビジネスの差別化戦略
  6.1 仲介ビジネスの存在意義
  6.2 プラットフォームビジネスの分類
 参考文献


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