オタワ Ottawa, Ontario






はじめの二枚の写真の建物は、カナダ国立研究機構(NRC, National Research Council of Canada)のメインの建物です。
この建物に9年以上、通っていました。春にはチューリップが玄関先に飾られます。
一枚目の写真では、もみの木がまだ小さいですが、いまはだいぶ大きくなっていると思います。

オタワの冬は、マイナス30度近くになることもざらにあります。一月末から二月初頭が一番、寒いでしょうか。
-28degrees, wind chill -32 degrees とかも。雪はどかっとふるときがありますが、大きな通りでは一生懸命
除雪されます。道路はカラカラになるまで除雪剤がまかれますので、真っ白になります。
(一度、-37度 wind chill -43度というのがあった気が)。

冬も自転車で通っていましたが、-28度くらいだと吐く息が凍ります。雪は砂のようになるので走れます。
それで、-15度くらいになると「普通だな」-10度より暖かくなると「今日は暑い」という気になります。
夏は+35度まで上がることがあるので、気温のレンジは-35度 から 35度です。夏も冬も、晴れたときは空が青くて
とてもきれいだと思います。別な惑星に来たような感じがしました。

三枚目と四枚目は、オタワ川に注ぎ込むリドー川です。研究所から一分くらい歩いたすぐそばの風景です。
川辺に変った形の建物が見えますが、旧市庁舎です。現代建築も、風景が良いと良く見えます。

5枚目と6枚目は、リドー川とオタワ川の合流地点です。「リドー滝」というミニナイアガラがあります。
リドー川は二つに分かれていて、二箇所、リドー滝があります。五枚目はそれを上から見た写真です。
オタワ川は川幅が広く、初めて水が流れている様子をみたときは、とても驚きました。
川の先に特徴的な形の山というか丘が見えます。この山の形を毎日眺めていました。
どこかに出かけていて戻ってきて、この山が見えると「オタワに戻ってきたな」と感じます。
高速道路で太陽の塔が見えると「大阪だな」と感じるようなものでしょうか。
ちなみに川を超えた向こう側はケベック州になり、表示がすべてフランス語になります。
川のこちら側はオンタリオ州で、オタワでは英語とフランス語の両方の表記です。

リドー滝は冬には凍ります。このリドー滝の先に、NRCの建物があります。
オタワ川も凍結します。そして「気温があがって一挙に解けて水が増えるのを防ぐために」
オタワ川の氷は、二月末になると砕かれます。これが砕かれるころになると、春も近いという気になります。
三月は、あっというまに気温も上がって、きらきらした春〜夏になります。
春にはいろいろな花が咲いて、また庭をきれいに飾っているところも多くて、とても華やかでした。
ガーデニングがとても盛んだと思います。

今はどうか知りませんが、昔は夏には、対岸で花火が打ちあがっていることがありました。
また「花火の日」もあったようで、川のあたりから見えました。その日は研究所付近も、多くの人で あふれたようです。
夏は7月のカナダデイのころが一番暑かった印象があります。35度になりますから、やはり
何日かは熱帯夜になります。ダウンタウンに行くと、お店の外のテーブルに人がいっぱいで、
昼間から大きなジョッキでビールを飲んで楽しんでいる人がたくさんいました。
カナダのビールはおいしかったです(日本ではあまりビールをおいしいと思ったことは無い)。
リドー川のそばの公園で、なにか夜まで催し物があるときもありました。

最後の写真は、ケベック側にゆく橋です。この写真で左のほう(オタワ川の上流側)に進んでいくと、
ダウンタウンになります。


☆ダウンタウンには、いろいろなレストランがあります。お気に入りはタイ料理で、毎日、ほぼ同じメニューの
(からくないもの、ベジタリアン向けの)ものを食べていました。おいしかったですね。野菜も入っているので
健康的です。その後、何年かたってオタワに行って、そのタイ料理屋に行くと、私の顔と「お気に入りのメニュー」
を店員さんは覚えていました。

アパートのそばにはダイナーがあって、ときどき朝はダイナーに行っていました。二件あったのですが、いまは
二件とも無いようです。食事はクラブサンドイッチ(もちろんフライドポテトとコーヒー付き!)でした。
ダウンタウンにも24時間やっているダイナーがあって、そこは実験明けの明け方とかにときどき行っていました。
むろんこれらのお店でも、すぐに店員さんには覚えられたようです。

日々の食事について、今(tokyo)にいるよりも、オタワにいたほうが良かったという印象があります。
コーヒー店ではハム&チーズを頼んでいましたが、大きいのでこれでおなかもいっぱいになります。


☆NRCは、いくつかの研究所が集まった組織です。私がオタワで滞在していた当初は、
研究室はNRCの中のSteacie Institute for Molecular Sciences という研究所に属していました。
すなわち Steacie Institute for Molecular Sciences, National Reseach Council of Canada
となります。日本では、「研究所が複数あつまった組織」を「機構」と呼んでいますので、日本語に訳すと
「カナダ国立研究機構 ステーシー分子科学研究所」となるかと思われます。(いまは組織形態も違っているようです。)

"National Reseach Council of Canada"の日本語訳にはいろいろあるようですが、
例えば「国立研究所」ではなくて「国立研究機構」を(少なくとも2000年当初から)使っている理由は、
そこにあります。(「カナダ国家研究会議」とかの直訳?は、意味が通じないです。)
今でこそ「機構」という名称は、日本でよく使われますが、2000年当時は珍しかったと思います。