心理データ解析 補足説明(2) 

様々な分析をパス図で表す

[1]相関

[2]偏相関

[3]重回帰分析


[4]多変量回帰分析

[5]媒介プロセスの表現

[6]主成分分析

[7]探索的因子分析(直交回転)

[8]探索的因子分析(斜交回転)

[9]確認的因子分析(斜交回転)

[10]高次因子分析

復習

その他のモデル

基本的なモデル

MIMICモデル

PLSモデル

多重指標モデル

応用的なモデル

遺伝ACEモデル(豊田, 1998, p.259-263参照)

潜在成長モデル(潜在曲線モデル,潜在成長曲線モデル,成長曲線モデルとも呼ばれる

    • たとえば,中学1年生から3年生にかけて,毎年ある性格検査を実施した右表のデータについて考えてみよう。
    • 平均値をグラフに表すと右中央の図になる。平均値に直線を引いた場合,この直線の「傾き」と,矢印の部分である「切片」を潜在的な変数として指定する。
    • 各個人の得点は異なるので,ある生徒の得点は…
      1年=切片 + 0×傾き +誤差1
      2年=切片 + 1×傾き +誤差2
      3年=切片 + 2×傾き +誤差3

      と,誤差を加えることになる。
    • 分析する時は…
      • ツール → マクロ → Growth Curve Model を選択する。
      • Number of time pointsは,3時点なので「」を入力すると,「ICEPT」(切片)と「SLOPE」(傾き)という潜在変数を伴ったモデルが描かれる。
      • 観測変数に「1年」「2年」「3年」を指定する。
      • 表示 → 分析のプロパティ の「推定」タブで「平均値と切片を推定」にチェックを入れる。
      • 各測定変数をダブルクリックし,オブジェクトのプロパティ,「パラメータ」タブで切片を全て「」に固定する。
      • ICEPT」(切片)と「SLOPE」(傾き)それぞれをダブルクリックし,オブジェクトのプロパティ,「パラメータ」タブで平均「0」を消す
      • ICEPT」(切片)から測定変数に向けて出ている矢印をダブルクリックし,オブジェクトのプロパティ,「パラメータ」タブで「係数」を全て「」にする。
      • SLOPE」(傾き)から測定変数に向けて出ている矢印をダブルクリックし,オブジェクトのプロパティ,「パラメータ」タブ,「係数」に,測定機会に合わせて「」「」「」と入力する。
    • 分析結果(標準化係数)をパス図で表すと右下の図のようになる。
    • 切片と傾きの平均値は…
      ICEPT(切片):推定値=9.919,標準誤差=.655,p<.001
      SLOPE(傾き):推定値=5.941,標準誤差=.503,p<.001
    • 従って,ある個人の得点を推定する時には…
      1年=9.919+ 0×5.941 +誤差1
      2年=9.919+ 1×5.941 +誤差2
      3年=9.919+ 2×5.941 +誤差3

      となる。
    • また,有意な値ではないので明確に述べることはできないが,切片と傾きの相互相関がr=-.26と負の値になることから,1年生の時に低い値の人ほど2年以降の傾き(得点の伸び)が大きく,1年生の時に高い値の人ほど2年以降の傾きが小さくなると推測される。
被験者
1年
2年
3年
1
8
14
16
2
11
17
20
3
9
16
20
4
7
10
19
5
8
22
28
6
15
22
30
7
8
16
25
8
9
12
25
9
8
14
24
10
15
17
14
11
3
15
15
12
9
14
21
13
11
16
18
14
13
21
28
15
10
20
25
16
13
22
23
17
13
16
23
18
11
17
23
19
8
13
18
20
8
12
15


  • 適合度は…カイ2乗値=1.13,自由度=1,有意確率=.288;RMSEA=.083

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