2005年11月 1日 ワンワート゛/ワンミーニンク゛ (あい昧な名詞・動詞) 目次 >>


 
● ワンワ-ト゛/ワンミ-ニンク゛ (one word/one meaning) [ あい昧な名詞に注意 ]


 文は、一つか それ以上の単語が集まった構成要素だから、わかりやすい文か否かは、単語の選択の良い悪いで決ることはいうまでもない。したがって、単語に対する鋭い感覚をもたないと、わかりやすい文は書けない。

 「出張に出た朝は、雨が降っていたので調査できなかった」

 と書いたとしよう。これを読む人には 「雨」 の程度がわからないので、書き手との間に コミュニケーション の キ゛ャッフ゜ が生じる。
 類語辞典で 「雨」 をみると

    糠雨、霧雨、細雨、煙雨、小雨、微雨、涙雨、慈雨、多雨、豪雨、暴雨、
    雷雨、地雨、陰雨、篠つく雨、俄雨、通り雨、村雨、村時雨、スコール、
    日照り雨、狐の嫁入り

 のように わんさとある。これらのすべては当てはまらないが、

 「出張に出た朝は、暴雨だったので調査ができなかった」
 「出張に出た朝は、現地は大雨だったので調査ができなかった」
 「出張に出た朝は、現地は豪雨に見舞われていたので調査ができなかった」

 と書けば読み手は納得するだろう。ついでながら、「出張に出た朝」 も具体的な日付を添えたほうが親切になることがある。

 もう一つ例をあげる。
 「子供は学校へ行っています」 も極めて あい昧だ。まず、「子供」 を 「息子」 とか 「せがれ」 とか、あるいは 「娘」 とか、もっと明確に 「長男」、「次男」、あるいは 「次女」 などとするほうがよい。「学校」 も あい昧だ。「大学」「高校」「中学校」「小学校」「女学校」「夜学」「幼稚園」「保育所」「洋裁学校」「料理学校」 などのように 「核になる語」 を使うと読み手は、単語の真の意味を推測しなくてすむ。これを ワンワート゛/ワンミーニンク゛ (one word/one meaning) の原則ということにする。そして、ワンワート゛/ワンミーニンク゛ の単語を選ぶには、類語辞典などを利用するとよい。

 いままでは、名詞を中心に話したが、動詞や形容詞の選択も無視できない。

 
● ワンワート゛/ワンミーニンク゛ (one word/one meaning) [ あい昧な動詞に注意 ]


 「機械を見る
 「メーター を見る
 「新聞を見る
 「患者を見る
 「明日、新製品を見させていただきます」

 のように書きがちだが、「機械を見る」 では 「機械を遠くから眺める」 のか 「機械を点検する」 のかが はっきりしない。
 「メーター を見る」 も 「メーター を点検する」 とも 「メーター を読む」 ともとれる。
 「新聞を見る」 は 「新聞を読む」 ことだろうが、「新聞が目に入る」 とも 「新聞が配達されているかどうかを見る」 ことにもなる。
 「患者を見る」 は 「患者を診断する」、「患者の面倒を見る」 ことにもなりうる。
 「新製品を見る」 も、「新製品を眺める」、「新製品を点検する」、「新製品を試験する」 のような意味合いがある。

 「車を動かす」 「機械を動かす」 なども あい昧で、「車の位置を変える」 のか 「運転する」 のかが定かでない。「機械を動かす」 も同じで、「機械を移動させる」 か 「機械を操作する」 かが明確でない。

 「人を使う」 「湯を使う」 なども あい昧だ。「人に自分の用をさせる」 のか 「雇う」 のか、「湯を使う」 も 「湯を利用する」 のか 「入浴する」 ことかが わからない。

 
 そして、形容詞や副詞を いたずらに使用しないように気をつけたい。
 次回は、形容詞・副詞について述べる。

 
▼ 参考文献
 「コミュニケーション 技術」 (篠田義明、中公新書) から転載引用しました。




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