2009年 6月16日 内容把握力と スピード 目次 >>


 
● 主要部分だけで内容をつかむ


 見出しを読んで、本文を読んでみようという衝動にかられたら、速読法が待っている。ここでは、前回 挙げた最初の見出しに続く本文を紹介しよう。まず、幹になる部分だけを示すので、これから全体の内容を把握してみよう。

 (1) Have you ever been stumped...grammar questions...?

 (2) What do you do...?

 (3) Ask your colleagues...?

 (4) Look...three sources on your desk──...?

 (5) About 40 grammar hotlines exist...U.S. and Canada...

 (6) Most are connected...universities...

 以上の (1) から (6) までに、素早く目を流すことで、全体の内容は、おおよそ把握できたと思う。

 (1) は 「文法の問題で、困ったことがありましたか」

 (2) は 「(それで) あなたは、どうしますか」

 (3) は 「同僚に尋ねなさい」

 (4) は 「机の上の 3冊の参考書を見なさい」

 (5) は 「文法について、およそ 40 の ホットライン が アメリカ と カナダ にあります」

 (6) は 「ほとんどが大学とつながっています」

 のことであるが、これだけで、本文の内容は ほとんど完全に把握している状態にある。速読の コツ は、細かい部分は思い切って無視しようと決意することが大切である。つまり、ある程度の大胆な気持を持たねばならない。では、次に前文を挙げるが、通読して、全体を読まなくても内容の ほとんどを把握していたことに気づくだろう。

 Have you ever been stumped by a grammar question that you needed answered right away? What do you do when that happens? Ask your colleagues what they would do? Look quickly through the three sources on your desk──only to discover that you can't find useful information or don't understand the explanation?
 About 40 grammar hotlines exist throughout the U.S. and Canada to help answer your questions quickly. Most are connected with universities and tem from university writing centers. [ 以下略 ]──The Ann Arbor News

 (1) では、関係代名詞の that 以下を無視した。 that 以下は形容詞と同等であって、a grammar question を修飾しているにすぎないからである。(2) では、従属節の when 以下を無視した。これも副詞節であって、What do you do に従属しているにすぎないからである。(3) では、「同僚に尋ねなさい」 だけでは、「何を」 という質問が読み手から出るので what 以下は無視できない。そこで、ちょっと目を流して、what they...do から意味をくみ取る。(4) では、ダッシュ 以下は、通常は内容の追加であることが多いので無視した。(5) では to 以下を無視した。 to 以下は副詞句で、exist を修飾しているにすぎないからである。(6) には、and があり、これから後は前文の内容の追加であるので無視した。

 これだけ無視しても中核になる部分を しっかりと抑えれば、内容の把握ができる。しかも、容易に、速くできるのである。

 全体を読まなくても全体が見通せるコツを会得しなくては、真に英語が使えるとはいえない。

 
(「内容把握力と スピード」、次回に続く)

 
▼ 参考文献
 「社会で役立つ 英語習得の テクニック」 (篠田義明、研究社出版) から転載引用しました。




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