2009年12月16日 書き方の実際への適用 目次 >>


 
● 主文で強調


 次の例はどうだろう。

 「あの会社は 10年前いできたのに、6000人の社員がいる」

 これを 2つの文に分けて英文にしてみよう。

 (1) The company was founded 10 years ago.

 (2) It now employs 6,000 people.

 この 2文を、

   The company, founded 10 years ago, now employs 6,000 people.

 とすると、一対の カンマ の中は挿入となり、極端に言えば、速読では カンマ 内は無視してもよいことが多いわけだから、この英文は 「6000人の社員がいる」 ことだけが伝えられることになる。また、

   The company, which now employs 6,000 people, was founded 10 years ago.

 では、「10年前に創立された」 ことが強調されてしまう。そこで、

   Though he company was founded 10 years ago, it now employs 6,000 people.

 とすると、「10年前にできたのに」 を表現しつつ、主文である 「6000人いる」 ことに強調を置いた英文になる。

 以上から、文法上正しければ、どう結合してもよいというわけにはいかない。頭を使う必要がある。

 
● 従属文だけの独立は不可


 英語の実力が相当ある人でも、不思議に、

   Because she is beautiful.

 だけで、文を独立させている人がいるが、日本文だって

   「彼女は美しいので」

 だけでは何が言いたいのかがわからないので、間違いに気づく。しかし、中には、これを

   「なぜならば彼女は美しいからです」

 と訳す人がいるが、適切ではない。それなら、英文は

   Therefore she is beautiful.

 になるはずだ。この種の誤りは会話の影響からのようである。

   "Why aren't you going?" (なぜ行かないの)

 のような問いに、

   "Because I am busy." (忙しいからです)

 のように答えるのが普通だが、このような言い方は、会話文のみ許され、一般文書では不可である。

 
▼ 参考文献
 「社会で役立つ 英語習得の テクニック」 (篠田義明、研究社出版) から転載引用しました。




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  社会で役立つ英語習得の テクニック