● 上手な紹介の仕方 (その 1)
紹介は、自己紹介であれば自分を売ることであり、相手を紹介してやることは相手を売ってやることである。このへんのところを理解していない日本人が多い。仕方がないので自己紹介をしよう、と思っている日本人が多いようだ。また、日本人は、相手と話をしているときに、知人や同僚が来ても、この相手に関係がないと思うと紹介をしないが、欧米では、話を中断しても紹介をするのが習慣である。そして、紹介にも原則があるので、上手な紹介の仕方を述べる。
いざ紹介する立場になると、順序がわからなくてとまどうことがある。中には、順序など無視してしゃべりまくる人もいるが失礼になる。
同性同士なら、年下を年上に、ランク の低い人を高い人へ、自分の会社の人をそうでない相手に紹介するのが礼儀である。これらに格差があるときは男女に関係がない。男性と女性のときは、男性を女性に最初に紹介するのが礼儀だが、重役と女子社員のときはこの限りではない。
まず、年上の人を見て、その人の名前を Mr. Smith. のように言ってから、年下の人の名前を言い、できれば関係を説明する。必ず相手の名前を言うことを忘れてはならない。敬称も間違えないように注意をしよう。
通常は、次の様式になる。A が、A の友達の鈴木さんを Smith さんへ紹介する場面を想定してみよう。
[ Dialog 1 ]
A: Mr. Smith, this is Mr. Suzuki. Mr. Suzuki, Mr. Smith.
これが、いちばん簡単な紹介法であって、A が独りで紹介してしまう方法である。まず、Smith 氏の方を向いて、「鈴木さんです」 と紹介し、次に鈴木さんの方を向いて 「スミス さんです」 と言う。ここで、スミス 氏と鈴木さんは、
Smith: How do you do, Mr. Suzuki?
Suzuki: How do you do, Mr. Smith?
Smith 氏と鈴木氏は、ほとんど同時に、このように言い、ここで握手をするはずだ。この場面を、A と鈴木氏の関係を明確にしたものにすると、次の Dialog になろう。
[ Dialog 2 ]
A: Mr. Smith. This is my good friend, Mr. Suzuki.
Suzuki: How do you do, Mr. Smith?
Smith: How do you do, Mr. Suzuki?
次回は、「格式ばった紹介」 と 「格式ばらない紹介」 との会話例を示す。
▼ 参考文献
「社会で役立つ 英語習得の テクニック」 (篠田義明、研究社出版) から転載引用しました。