早稲田大学人間総合研究センター主催 

公開シンポジウム
ヘルシーエイジング―健康で生きがいのある老いを目指して―
Promotion of Good Healthy Aging!
日 時 2012年12月16日(日)13時~18時10分
会 場 早稲田大学井深大記念ホール(国際会議場)

開催趣旨
 早稲田大学人間科学部は大学創立100周年記念事業の一環で創設され、はや25年が経ちました。その当時、総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は10%(1250万人)ほどでしたが、その後、高齢化が急速に進み、今や23%(3000万人)を突破し、急速に高齢化が進んでおります。周知の通り、20~65歳の現役世代は減少し、彼ら彼女らが高齢者を支える構図は、以前は「胴上げ型」、現在は「騎馬戦型」、そして2050年には「肩車型」になると表現されています。
 このような状況の中、政治、経済、その他様々な方面からの取り組みが始まっていますが、私どもは長年の研究で培ってきた人間科学、健康科学、運動科学、神経科学の視点に立ち、まずは情報の発信、さらには運動プログラムなど研究成果の社会還元といった行動を起こそうと考えました。
 本シンポジウムは、その起点となることを目標に掲げ、まず加齢(老い)という避けることのできない状況をどのように受け止め、対処するか、また自ら、あるいは他の高齢者に対してどのように接するかといった根本的課題について、各専門の先生方からお話を頂くことにしました。
 そして、高齢においても心とからだを健やかに保てる実践的運動方法として、今回は最新の「初動負荷理論」に基づくトレーニングと、古い歴史を持つ太極拳を取り上げ、それらの意義と特徴、類似点などを比較・検討してみることに致しました。
このような活動は、1回で終わらせるのでなく継続して情報を発信することに意義があると思います。幸い、本学の人間総合研究センターには「健康福祉ネットワーク」が設立されており、これを利用して高齢化社会に対応する研究を推進している大学内外の研究者、活動家などの情報交流をさらに活性化していくことも可能です。
このたびご参加いただいた皆様方が、本シンポジウムを契機として、老いに対する見方・考え方等を確立され、各自に最適な、明るく健やかな老いの実践方法を見出して頂ければ、主催者として幸甚に存じます。
(研究代表者:鈴木 秀次)


プログラム

司会:佐藤 広之(早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員)

1.開会挨拶(13:00~13:05)        
藤本 浩志(早稲田大学人間総合研究センター所長)

2.基調講演(13:05~13:35)
戸川 達男(元早稲田大学人間科学部教授)
   人間の老いを考える1
   人間の老いを考える2
   人間の老いを考える3

3.シンポジウム:基礎編
座長 福岡 正和(早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員)

千葉 卓哉(早稲田大学人間科学学術院准教授)(13:40~14:10)
   食生活の工夫と寿命1
   食生活の工夫と寿命2

加瀬 裕子(早稲田大学人間科学学術院教授)(14:10~14:40)
   超高齢社会でのコミュニケーション、対人関係1
   超高齢社会でのコミュニケーション、対人関係2

竹中 晃二(早稲田大学人間科学学術院教授)(14:40~15:10)
   ヘルシーエイジングのための行動変容プログラム1
   ヘルシーエイジングのための行動変容プログラム2
   ヘルシーエイジングのための行動変容プログラム3

4.特別講演: (15:15~15:50)
紹介 研究代表者 鈴木 秀次
T.ホルトバギー(オランダ フローニンゲン大学医療センター教授)
Tibor Hortobágyi, PhD University of Groningen Medical Center
   高齢者の弱くなった筋肉や障害に打ち勝つための介入1
   高齢者の弱くなった筋肉や障害に打ち勝つための介入2
   高齢者の弱くなった筋肉や障害に打ち勝つための介入3


5.シンポジウム:実践編
座長 福岡 正和(早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員)

鈴木 秀次(早稲田大学人間科学学術院教授)(16:10~16:40)
   身体感覚を養い、動きを滑らかにする初動負荷理論1
   身体感覚を養い、動きを滑らかにする初動負荷理論2
   身体感覚を養い、動きを滑らかにする初動負荷理論3

李 徳芳  (元北京師範大学講師、現日中健康センター講師)(16:40~17:10)
   太極拳、その原点への回帰(表演を含む)1
   太極拳、その原点への回帰(表演を含む)2

6.質疑応答 (17:10~17:50)
講演者全員(発表に対しての質疑応答)

7.太極拳表演:(17:50 ~18:00)
姜 驚雷 (早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員)

閉会挨拶 (18:00~18:10)  研究代表者:鈴木秀次


シンポジストのプロフィール

人間の老いを考える
戸川 達男
1960年早稲田大学理工学部卒業。1965年東京大学大学院数物系研究科博士課程修了。工学博士(東京大学)。東京大学助手を経て、1972年東京医科歯科大学教授。2003年早稲田大学人間科学部教授。現在、早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員。長年にわたり、医療や診断のための生体計測技術研究に貢献。著書:『動物の老い人間の老い-長寿の人間科学』『動物の生き方人間の生き方-人間科学へのアプローチ』『動物の心人間の心・科学はまだ心をとらえていない』等。
URL http://www.f.waseda.jp/togawa/

食生活の工夫と寿命
千葉 卓哉
1994年関西学院大学理学部卒業。2001年京都大学大学院医学研究科博士課程修了。博士(医学)(京都大学)。長崎大学医学部・大学院医歯薬学総合研究科助手・助教・准教授、及び米国The Scripps Research Institute のResearch Associate, Visiting Scientist等を経て、2012年4月から早稲田大学人間科学学術院准教授。食餌カロリー制限による寿命延長メカニズムなど、高等生物における老化機構を分子細胞生物学的、実験病理学的に研究している。
URL http://www.f.waseda.jp/takuya/index.html

超高齢社会でのコミュニケーション、対人関係
加瀬 裕子
1976年日本社会事業大学社会福祉学部卒業。1979年日本女子大学大学院博士課程前期課程修了。日本社会事業学校専任教員、桜美林大学経営政策学部助教授・教授を経て、2004年から早稲田大学人間科学学術院教授。University of Michigan US-Japan Gerontology Seminar program coordinatorを担当するなど、高齢者ケアを国際的に比較や在宅ケアのあり方を研究している。それらの研究をもとにケアマネジメントのガイドラインを制作すると共に、高齢者をめぐる社会福祉の実践について様々な視点から分析している。
URL http://www.waseda.jp/human/faculty/kasehiroko.html

ヘルシーエイジングのための行動変容プログラム
竹中 晃二
1975年早稲田大学教育学部卒業。1990年Boston 大学大学院博士課程修了。Ed.D.(Boston 大学)、博士(心理学)(九州大学)。関西学院大学助教授、岡山大学大学院修士課程助教授、早稲田大学人間科学部助教授を経て、1997年4月から早稲田大学人間科学学術院教授。生活習慣病予防に果たす健康行動全般に関わる心理・行動を研究。特に、健康行動を継続させるための介入プログラムを開発するなど、実践を重んじた研究を実施している。
URL http://takenaka-waseda.jp/

高齢者の弱くなった筋肉や障害と戦うための介入
T.ホルトバギー
1979年University College(ハンガリー)卒業。University Of Massachusetts(米国)にて博士号取得。University College, London(英国)、East Carolina University(米国)を経て、現在、University Medical Center Groningen(オランダ)教授。高齢者の健康と病態における随意筋力の神経筋機構を研究している。身体障害を持つ高齢者を含め、幅広い高齢者の歩行機能向上のメカニズムを解明するための介入実験を行っている。鈴木秀次教授とは3年以上に渡って共同研究を進めている。
URL http://www.rug.nl/staff/t.hortobagyi/index

身体感覚を養い、動きを滑らかにする初動負荷理論
鈴木 秀次
1970年早稲田大学教育学部卒業。1975年University of Washington大学院修士課程修了、医学博士(千葉大学)。杏林大学医学部助手・講師、早稲田大学人間科学部講師・助教授を経て、1996年4月から早稲田大学人間科学学術院教授。日常生活やスポーツ活動時のからだの動き・仕組みを研究。また実践領域における研究として、初動負荷トレーニグ、太極拳、気功の各動作特性を研究している。
URL http://www.f.waseda.jp/shujiwhs/index-j.htm

太極拳、その原点への回帰
李 徳芳
幼少より、尊父の李天驥(中国十大武術名師の一人)氏から武術を学ぶ。1981年北京師範大学体育学部卒業。同大学武術講師を経て1988年に来日。現在、(財)日中友好会館・日中健康センター、日中太極拳交流協会の太極拳専任講師。1982年度・1983年度連続して全中国武術観摩交流大会の優秀賞を獲得した。特に形意拳、太極拳、八卦掌、武当太極剣などの拳法を得意とする。

姜 驚雷
1996年上海体育学院武術学部卒業。上海第二工業大学教師を経て2000年に来日。2005年筑波大学大学院人間総合科学研究科修士課程修了し、修士号を取得。中国著名武術家の陳振霄老師(陳式太極拳第十一代伝承人)と?伝仁老師に師事し、1994年全国武術選手権大会56Kg 級推手部門準優勝。陳式太極拳第十二代伝承人(振驚伝統陳式太極拳協会会長)。現在、早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員。太極拳動作を運動制御とバイオメカニクスの視点から研究している。

佐藤 広之
1991年早稲田大学人間科学部卒業。2002年東京大学医学部卒業。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。博士(医学;東京大学)。東京大学医学部附属病院勤務後、現在国立病院機構東京病院リハビリテーション科医員として活躍し、歩行障害のリハビリテーション、アダプテッド・スポーツを研究している。

福岡 正和
1975年早稲田大学理工学部卒業。杏林大学医学部助手(生理学)、本田技術研究所(二足歩行ロボット開発)、資生堂ビューティーサイエンス研究所(ストレス研究・肌カウンセリング機器開発)を経て、ルーセット・ストラテジー株式会社を設立。発汗測定器、皮膚バリア測定器、運動反応時間測定装置など、生体計測機器の開発に従事している。