「政治思想史」講義要項 (佐藤正志)

早稲田大学大学院政治学研究科

2007年度政治学研究科講義要項

佐藤正志 「政治思想史」(前期)

講義内容


 本講義では、政治的言説の変容に焦点を合わせた新しい思想史研究の方法をふまえると同時に、「近代的なるもの」の問い直しという今日の政治思想的課題に応える探求を目指す。はじめに政治思想史の方法と課題について概観し、<政治思想の伝統と近代>という主題を提示する。その主題をめぐり、最初に政治哲学の古典的伝統について、ついで、近代におけるその変容と持続について考察する。後者について、とくに、近代政治思想の主要概念の生成と変容を、主として主権国家の形成期から啓蒙時代までの初期近代の思想史的文脈のなかで明らかにする。具体的には、近代的国家概念の形成を主権概念とのかかわりで考察し、さらに、共和主義、立憲主義、自然権という近代的な政治理念と、社会契約という近代的政治秩序の構成原理の形成過程を探究する。最後にそうした政治概念の近代性の意味を、啓蒙思想の再検討の文脈の中で考察する。  講義の具体的な進め方としては、概説を避け、テーマに沿って基本的な論点の提示と原典からの基本テキスト、および重要な研究論文の参照をもとに、報告や討論を中心にして進める。

授業計画

    • 1 政治思想史研究案内
    • 2 政治思想史の方法と課題―テクスト主義とコンテクスト主義を超えて
    • 3 政治哲学の伝統と政治概念  
      • (1)ポリスと政治学、あるいは政治学の対抗  
      • (2)プラトンにおける政治と政治哲学  
      • (3)アリストテレスと実践哲学としての政治学
    • 4 政治学の近代的変容―伝統の持続と変容  
      • (1)近代国家の形成と政治思想  
      • (2)近代的学問の理念とホッブズの政治哲学  
      • (3)近代的パラダイムを越えて−近代科学批判と政治学
    • 5 近代政治思想と政治概念  
      • (1)社会契約説―ホッブズとルソーの間  
      • (2)主権国家と自由―パースペクティブとしての共和主義、立憲主義、自然権  
      • (3)近代的政治概念の形成と変容―リベラル・デモクラシーの現在
    • 6 現代政治思想の課題―多元主義、リベラリズム、多文化主義

教科書


講義の初めに参照文献を指定する。

参考文献

    • 佐藤正志ほか編『政治学講義』(早稲田大学出版部、1989年)。
    • 佐藤正志『政治思想のパラダイム−政治概念の持続と変容−』(新評論、1996年)。
    • 佐藤正志・添谷育志編『政治概念のコンテクスト−近代イギリス政治思想史研究−』(早稲田大学出版部、1999年)。
    • 白鳥令・佐藤正志編『現代の政治思想』(東海大学出版会、1993年)。

    その他、講義の中で適宜紹介する。

評価方法


授業中の議論への参加、報告発表、および最後のレポートによる。

コンテンツ

 


最終更新日 : 2007年10月14日