数や量に対する基本的な感覚のことをいいます。数が大きい、小さいなどに加えて、
桁がいくつ増えるかという大きさの感覚のことをいいます。
サウダー(J.Sowder, 1992)は、数感覚と密接に関連する概算や暗算をとりあげ、
概算の教育は数感覚や量的直観を発達させる道づけをすると述べています。
概算とは、「おおよその計算、あらましの計算」をさします。
概算をするために必要な知識
概算の理解は容易ではありません。概算が「およその答え」を出すものであることによって、
普通の計算とはまったく異なるむずかしさが生じるためです。
概算をするために必要な知識として、以下があげられます。
概算を行うための一般的な手順には以下の7種類があります。
一般的な7種の方略タイプ
*2^6は、2の6乗を表しています。
概算について
私たちは、日常生活ではそれほど正確な数値を用いているわけではなく、概数や概算を適宜用いていたり、
計算場面においても、わり算の商をたてる場合には概算を適用していることも多いのではないでしょうか。
計算をする際に、大体これぐらいの数だという概算値を入れて計算をすることで、計算ミスを減らすことが
できるようになります。
時折、概算値を考えながら、計算をしてみてください。
〜以下の書籍から抜粋〜
「認知心理学からみた数の理解」(吉田 甫 多鹿 秀継 編著)
暗算、計算力についての1つのエピソードをご紹介します。
計算力、思考力ともに極めて卓越していた数学者にガウスがいます。
ガウスは、ドイツの数学者、天文学者、物理学者で、幼少の頃から神童と呼ばれ、
アルキメデス、ニュートンと共に3大数学者の一人とされています。
彼は7歳のとき、先生から「1から100までのすべての数を足しなさい」という問題を
出されました。
「足し算は、順番を変えてもその結果は変わらない。1と100、2と99、3と98、・・・
と組み合わせていけば、101が50組できる。101×50=5050が答えだ!!」
と計算方法を工夫して、すぐに答えを出した話はよく知られています。
また、ガウスは、分数を少数に直す計算(割り算)についても、人の何倍も速く
計算できたそうです。その工夫とは、200までの素数pについて、1/p,・・・などの
表を作っていたことだそうです。
大人になったガウスに、自分自身でたくさんの計算をしているのを見かねた人が、
計算を減らして、思考の方に時間を使えるように、助手を雇うようにすすめたそうです。
ところが、ガウスは、「(今まで)単なる機械的な計算能力を有するものから有効なる
助力を得たろうと思われる場合はない」と断ったそうです。
ガウスは、自分の計算のなかで、数学のさまざまな構造を読み取っていたからです。
「計算名人」に計算のコツを聞けば、少しは上達するかもしれませんが、
そのあとも免許皆伝まで研さんをつまなければなりません。
計算の構造の本質を試行錯誤しながら、探り当てることが、色々なことを後々ラクにすることに
つながっていくのかもしれません。
簡単な掛け算の計算に関しても、時には色々な見方をしてじっくり考えることで、計算の構造
に気づくことがあると思います。
■ガウス■
ヨハン・カルル・フリードリッヒ・ガウス(Johann Carl Friedrich Gauss,1777-1855)
〜以下の書籍から抜粋〜
「考える力をつける数学の本」(日本経済新聞社 岡部恒治著 2001年)