国際交流基金知的交流助成プログラム
日本移民学会共催・早稲田大学国際的ワークショップ助成、放送文化基金助成


トランスナショナルな「日系人」の教育・言語・文化―過去から未来に向かって―

2011年3月5日~6日



プログラム


国際会議:トランスナショナルな「日系人」の教育・言語・文化
-過去から未来に向って-



●第1日目 2011年3月5日(土)

9:00~
■開場・受付開始■

9:30~10:00
■開会式・挨拶■
司会:森本豊富(早稲田大学)
・挨拶:西村篤子(国際交流基金統括役)、アンドレ・ソウザ・マシャード・コルテス(駐日ブラジル大使館文化広報担当書記官)

・趣旨説明:根川幸男

10:00~11:00
■基調講演(60分)■
講演者:ドン・トシアキ・ナカニシ(UCLA)
演題:―Transnational Nikkei: Exodus, Return and Realignments‖(英語)
司会:森本豊富(早稲田大学)

<休憩>(10分)

11:10~12:50
■パネル・ディスカッション:「北南米・ハワイにおける日本語・日系人教育の現状と課題」(100分)■
司会:根川幸男
・野呂博子(カナダ・ヴィクトリア大学)「進化する継承日本語―日本語学校と学習者の変容」
・本田正文(ハワイ大学ヒロ校)「国際人を生み出したハワイの日本語学校」
・レイコ・マツバラ・モラレス(ブラジル・サンパウロ大学)
「循環するブラジルの日本語教育」
コメンテーター:吉田亮(同志社大学)
<質疑応答>

12:50~14:00
■昼食・休憩(70分)■
ヒカルド・ヤマモト
ギャラリートーク& 写真展「移動の中の子どもたち」(ワセダギャラリー)
ポスターセッション(ロビー)

14:00~15:50
■部会①「日系人」の絆と教育―ブラジルの事例から(110分)■
司会/コメンテーター:坂口満宏(京都女子大学)
・根川幸男(ブラジリア大学)「戦前期ブラジル日系教育の先進的側面と問題点」
・中村茂生(高知大学)「海外移住組合移住地サンパウロ州バストスの学校教育―1930年代初頭を中心に」
・渡辺伸勝(武庫川女子大学附属中学・高等学校)「農村部日系移住地における教育―アリアンサ移住地を事例に」
・森本豊富(早稲田大学)「トランスローカルな『県系人』と郷里との紐帯―沖縄出身移民を中心に」
<コメント>(15分)
<質疑応答>(15分)
<休憩>(10分)

16:00~18:30
■部会② 南米「日系人」の教育・文化の今とこれから (150分)■
司会/コメンテーター:三田千代子(上智大学)
・ミックメーヒル・カイラン(大東文化大学)―A Survey of Nikkei Returnees to Brazil, Peru, and Argentina: The Need to Maintain the L1 in Japanese Public Schools.‖
・ムラモト・エリカ(群馬県玉村町立中央小学校) ―A Survey of Nikkei Returnees to Brazil: The Importance of Maintaining the L1 in Japanese Public Schools‖
・四方利明(立命館大学)「日系ブラジル人と校舎のかかわり」
・拝野寿美子(神田外語大学)「在日ブラジル人第二世代の教育―越境経験を活かす方途を求めて」
<休憩>(5分)
・中野紀和(大東文化大学)「グラフィッチとの関わりにみる新世代日系ブラジル人の意識変化―日伯移民100周年イベントを手がかりとして」
・エルナニ・オダ(京都大学)「他者の生成と文化の序列化―滞日ブラジル人が語る日本の『アメリカ化』」
<コメント>(15分)
<質疑応答>(15分)


●第2日目 2011年3月6日(日)

9:00~
■受付■

9:30~12:10
■部会③ 移民資料のアーカイブ化と発展的利用(160分)■
司会/コメンテーター:遠山緑生(嘉悦大学)
・山崎芳男・及川靖広・武岡成人・八十島乙暢・西川侑希(早稲田大学)「ブラジル日本移民史料館所蔵レコードの非接触技術による読み取りとその意義」
・霜山文雄(NHKライツ・アーカイブスセンター)「ブラジル日本移民史料館所蔵フィルムの修復―ハイヴィジョン映像への変換保存とその意義」
・ 北岡タマ子(お茶の水女子大学大学院)「移民研究資料のドキュメンテーションとデジタルアーカイブ―ブラジル日本移民史料館所蔵資料を例に」
<休憩>(5分)
・中谷智樹(和歌山市民図書館)「移民資料の収集と課題」
・西村陽子(全米日系人博物館)「ディスカバー・ニッケイ―ニッケイ学習とつながりの場」
・小嶋茂(東京外国語大学)「移民学習教材作成に関わる『資料』と活用法」
<休憩>(5分)
<コメント>(15分)
<質疑応答>(15分)

12:10~13:40
■昼食・休憩(90分)■
・細川周平(日本国際文化研究センター)によるブラジル日本移民史料館所蔵レコード解説
・ポスターセッション(ロビー)

13:40~16:25
■総括討議 トランスナショナルな「日系人」の教育・言語・文化■
―過去から未来に向かって―(165分)
司会:三田千代子(上智大学)
根川幸男、レイコ・マツバラ、拝野寿美子、北岡タマ子、西村陽子、森本豊富
<休憩>(10分)
コメンテーター:木村健二(下関市立大学)、小島勝(龍谷大学)
<討論>(30分)
<質疑応答>(30分)

16:25~16:30
■閉会式・挨拶■
森本豊富


基調講演者紹介・基調講演要旨
Don T. Nakanishi
Professor Emeritus, UCLA
Director Emeritus, UCLA Asian American Studies Center


 カリフォルニア州・イーストロサンゼルス生まれ。イェール大学学政治学部卒業、ハーバード大学大学院政治学博士。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で35年間教える。また、1990年から2010年まで、アジア系アメリカ人研究において全米最大の規模を誇る同大学のアジア系アメリカ人研究センター(Asian American Studies Center)で所長を務めた。ドン・ナカニシ教授は、アジア系アメリカ人研究における第一人者であり、40年にわたり、アジア系アメリカ人に関する研究・教育を専門分野として確立し、発展させ、牽引してきた。また、マイノリティ研究や人種とエスニックに関わる研究分野への功績は計り知れない。

アジア・太平洋系アメリカ人に関する著書を中心にAsian American Educational Experience Don Nakanishi & Tina Yamano Nishida、共著)(1995, Asian American Politics: Law, Participation, and Policy Don Nakanishi & James Lai, 共著, 2003, 『越境する民と教育』(ドン・ナカニシ, 森本豊富, 共編著、2007)など多数。

 アジア系アメリカ人研究の代表的な学術誌であるAmerasia JournalAAPI Nexus: Asian American and Pacific Islander Policy, Practice, and Community Researchの創刊にも関わった。ドン・ナカニシは、数々の雑誌・書籍でも取り上げられ、A. Magazineでは「1990年代における最も影響力の大きいアジア系アメリカ人の一人」として紹介された。

National Community Leadership Award (Asian Pacific Institute for Congressional Studies2007年)、Lifetime Achievement Award (American Political Science Association, 2009George Kiriyama Educational Excellence Award 2010年)等、多数の受賞歴の他に、クリントン政権下ではCivil Liberties Public Education Fund Board of Directorsに任命された。


■基調講演要旨

 

トランスナショナルな日系人:移住・帰還・再統合

ドン・トシアキ・ナカニシ  Ph.D

  UCLA名誉教授・元UCLAアジア系アメリカ人研究センター長

 トランスナショナルな日系人というのは、新しい専門用語で、一般に現在の日本人移民や彼らの子孫を指す言葉として使われる。彼らは、社会的、経済的、教育的、政治的、文化的、報道機関、通信やその他の国境を越える、国際的な活動や関係、たいていは、彼らの郷里や移住先といった二ヶ国以上、あるいは、より広範なディアスポラ的ネットワークにまつわる事柄に関わっている。「トランスナショナルな日系人」とは、現代の日本人移民を指すが、初期の日本人移民やその子孫たちにとっても、トランスナショナルな結びつきや活動が顕著であったのは、明らかである。

 本講演では、増加を続け、ますます多様化するトランスナショナルな日系人を、自身のトランスナショナルな日系人という経験、長期に亘る国際政治学の枠組みでのマイノリティや移民の論理的かつ実証的研究、そして公共政策活動の関わりの3つの観点から明らかにしていく。

最後に、現在と過去のトランスナショナルな日系人の経験について、学際的研究と政策論議が活発に行われることを提言したい。





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