Rsearch 研究テーマ

 種々のスマート社会技術を融合させた新たな社会基盤の構築は,カーボンニュートラルの実現と高齢化などその他の社会的課題を同時解決するために不可欠です。また2015年に国連総会で採択された持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)は,「目標とターゲットがすべての国,すべての人々,及びすべての部分で満たされるよう,誰一人取り残さない」としていますが,スマート社会の構築はそのような原則を実現するための重要な手段です。本研究所では主として産業連関分析の手法を用いて,スマート社会の構築がもたらす効果を,経済・社会・環境などの側面から分析し,スマート社会の実現のための社会科学総合研究をめざします。 本研究所における研究内容は以下の通りです。

1. 理工学との連携
理工学研究との連携により,スマート社会技術にはどのような選択肢があるのか,それらはどのように融合されうるのかを検討し,それらの社会実装の在り方について考察します。同じ技術でも,その運用を担う社会の仕組みの在り方次第で,発揮される効果が異なってくるはずです。スマート技術の強みを最大限に生かし,カーボンニュートラルの実現とSDGsの達成のための近道を探るための社会科学的研究を目指します。

2. スマート社会の産業連関分析
本研究所の強みである産業連関分析の手法を用いた研究には次のようなトピックスがあります。

(1) 次世代エネルギーシステム分析用産業連関表(IONGES)の開発と分析:IONGESは総務省の公表する産業連関表に,再生可能エネルギー電力部門を付け加えた表です。これを用いて再生可能エネルギー導入が経済と環境にもたらす効果を分析します。また,バーチャルパワープラントなどの新しいエネルギーマネジメント技術の実用化の効果を検討します。

(2) スマート社会技術を実装したスマートシティ(大都市ばかりでなく,農村なども含めたスマートコミュニティ)の在り方について検討します。スマート社会の下では,だれ一人取り残されないというSDGsの原則が満たされる必要があります。経済や社会の隅々にまで,真にスマート化の恩恵が行き届くための新しいまちづくりや社会の仕組みについて考察します。

(3) その他,ざまざまな「スマート」を研究します。スマート化の本質は,マネジメントの強化による効率化だと考えています。各方面のマネジメントは,ICTやAIの進歩で飛躍的に強化されました。さらに近年では,社会のマネジメントは人々に意識されることなく自動的に実施されるようになっています。スマート化はSDGsの多様な目標の同時達成のために必要です。

Member 研究員
顧問
大聖 泰弘(早稲田大学 名誉教授)
小林 直人(早稲田大学 名誉教授)

研究所員
鷲津 明由(社会科学総合学術院 教授)
林  泰弘(理工学術院 教授)
藁谷 友紀(教育・総合科学学術院 教授)
赤尾 健一(社会科学総合学術院 教授)
近藤 康之(政治経済学術院 教授)
天野 嘉春(理工学術院 教授)
野津 喬(理工学術院 准教授)

招聘研究員
中野 諭 (日本福祉大学 経済学部 教授)
新井 園枝((独)経済産業研究所 計量分析・データ専門職)
板  明果(東北学院大学経済学部 准教授)
村野 昭人(東洋大学 理工学部 教授)
草薙 真一(兵庫県立大学 経済学部 教授)
宮内 肇 (熊本大学大学院 自然科学研究科 情報電気電子工学専攻 准教授)
本村 眞澄(元 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構 主席研究員)