研究内容紹介

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テーマ2:事故耐性燃料の実用化プロジェクト研究(材料・燃料のふるまい)

 核燃料は二酸化ウランを焼結させた“ペレット”を金属の鞘(これを“被覆管”と呼びます)に封入した、 “燃料棒”という形態で炉心に装荷されます。 福島で起こった水素爆発は衝撃的でした。 その原因は、炉心の暴走や核燃料の爆発ではありません。炉心の冷却が失われたことにより、 核燃料を封じ込めた金属製(ジルカロイという合金)の被覆管が高温の蒸気によって酸化し、 このときに蒸気が還元されて発生した水素が原子炉建屋(原子炉が納まる建物)に漏れ出し、爆発したのです。
 そこで、万が一、福島のように原子炉の冷却が失われても、水素を発生せず、 より長時間、高温に耐えることのできる“事故耐性燃料”の実用化プロジェクトが日・米・欧等で始まっています。 山路研は国の事故耐性燃料実用化プロジェクトチームの一員として、事故耐性燃料の設計と性能評価を行っています。 プロトタイプ燃料は核燃料メーカーが作成し、実験用原子炉でテスト照射が始まる予定です。