研究内容紹介

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テーマ4:新シミュレーション手法・“粒子法”の開発(数値流体力学)

 テーマ3の福島廃炉プロジェクトでは巨大な発電プラント全体をモデル化するために、 一部のモデルには簡単な「経験則モデル」が使われています。 これらのモデルでは、物理の方程式を厳密に解く代わりに、過去に実施された実験データを参照して、 「同じような条件なら結果も同じようになるだろう」と仮定しています。 過去の経験が豊富であればこの手法は効果的です。 ところが、福島事故のように核燃料が溶け落ちてしまうような現象は過去に経験がほとんどないので、 シミュレーション結果の信頼度が低いのが問題です。
 そこで当研究室では溶けた核燃料がどのように流れて原子炉を破壊していくのかを 厳密にシミュレーションできる新しい手法・“粒子法”を開発中です。 基礎支配方程式は質量保存則、運動量保存則、エネルギー保存則だけです。 これらを厳密に(機構論的に)解くことで、 これまでは大規模実験で断片的に観察することしかできなかった溶融核燃料挙動が物理法則に基づくシミュレーションで明らかになってきました。
 現在は、この手法の開発をメインにした研究を国のプロジェクトとして実施中です(2019-2021年度)。 2018-2019年度にはフランスの原子力・ 代替エネルギー庁(CEA)との共同国際研究プロジェクトを実施しました。