Y.時間配分の最適化



Y−1 研究時間と論文作成時間

@研究と論文作成

論文完成までの全作業は,大きくこの2つの作業に分けることができる.繰り返し強調してきたように,両者は基本的に異なる作業であるから,ともに十分な時間を割り当てておかなければならない.文献を読む速度も考慮して,早めに準備を始めることが肝要である.とはいえ,卒業論文作成については3年生の終わり頃から考え始めるのが普通だから,せいぜい1年間しかない.この1年間という資源を最適に配分するという態度が,経済学部の学生には特に重要である.

A研究時間

研究という作業は次のような工程に分けられる.
a.研究テーマの設定
b.文献の探索・読解・要約
c.未解決問題の整理
d.未解決の個別問題に対する解答
e.結果の評価
a〜eの作業が一応終わっても,また新しく問題が見つかることはしばしばある.その場合,b〜eの作業を繰り返すことになる.この一連の工程には膨大な時間がかかる.特にdにどれだけの時間が必要になるかは見当がつかない.中途半端で論文作成に移るといかにも歯切れの悪い論文しか書けない.納得できる結果・解答が出るまで,研究には十分な時間を割きたいものである.

B論文作成時間

論文作成という作業は次のような工程に分けられる.
a.論文の全体構成
b.章立て
c.各章の内容の箇条書き
d.文献の配置
e.執筆
a〜dの作業が余りに不完全であると,実際に書き始めた場合筆が進まなくて困ることになる.a,b,cには十分時間をかけて入念な作業を行っておくべきである.
a〜eの作業が完了してようやく卒業論文の第1次草稿の完成である.もちろんこれで終わりではない.読み直してみると欠陥が目につくはずである.論拠不十分な箇所に対して補足資料や文献を集めたり,論理展開を一部修正したり,最悪の場合には全体構成に戻ってやり直すことが必要になるかもしれない.その点をしっかり頭に入れておいて,時間配分の最適化を図るべきである.

Y−2 卒業論文提出までの大まかな日程(例示)

@テーマに従った文献目録の作成と文献の収集3年次1〜2月

A文献の分類および要約3年次2月〜4年次4月

収集した文献を重要度に従って分類する.
各文献に簡単な要約をつける.
最重要文献を精読し,精密な要約を作成する(4〜5冊).

B文献目録および要約の提出4年次4月の最初のゼミ開講日

文献目録は参考文献の所定の形式にする.
最重要文献の要約および文献目録はワープロ入力する.
 →提出しない場合は卒業論文提出放棄と見なす

C新しい展開の方向を考える3年次2月〜4年次4月

卒業論文で答えたい問題を明確にする.
その問題に答える方法を考える.
 →どの方法が必要か
(言語モデル,数理モデル,計量モデル)

D卒業論文の全体構想・章立てを練る4〜5月

章・節・項に分け表題をつける.
それぞれの内容を簡潔にまとめる(箇条書き).

E卒業論文のタイトル・各章の表題・各章の要旨提出5月連休明けの最初のゼミ日

F文献の追加および論理展開の深化5〜6月

メイン・モデル(本論の中心となるもの)を充実させる.
メインの章の草稿を作成する.

G第1次草稿の提出7月末〜8月初旬

メインの章に序論と結論を加えて第1次草稿を書き上げる.
ワープロで作成した原稿を提出する.

H文献・資料の追加および論理の更なる展開8〜9月

論拠不十分な箇所の補足資料・文献を収集する.
メイン・モデル(本論)を改善する.

I第2次草稿の作成9〜10月

J第2次草稿の提出10月中旬

卒業論文の形式に従って作成した草稿を提出する.
ワープロで作成した原稿を提出する.

K修正および推敲10〜11月

必要な場合はメイン・モデル(本論)の修正を行う
日本語らしく論文らしく.

L第3次草稿提出11月末

M部分修正(必要があれば)12月初旬

N卒業論文提出(教務課に)12月中旬

Y−3 春休みの下作業

@テーマの最終決定

とりあえず決めた現在のテーマが気に入らない場合はテーマを考え直す.テーマの設定に関して疑問などあれば,早め指導教官に相談せよ.

A文献を探し,文献目録を作る

文献の数は多ければ多いほどよい.50〜100を目安とする.
文献の探し方については『レポート・卒業論文の書き方』を参照せよ.

B各文献の簡単な要約を作る

C重要文献を精読し,要約を作る

重要文献の中から4〜5冊を選び精読する.カードやノートなどに要約や引用を整理する.

D精読する文献の選び方に注意する

a.啓蒙書は避ける
内容のしっかりした一流の専門書を選ぶ.
要約の訓練となる新書・文庫の類は,一流であっても専門書ではない.一流の専門書の見分け方については『レポート・卒業論文の書き方』を参照せよ.
b.結論・意見の対立するもの・相違するものを選ぶ.
c.バラエティに富んだ選び方をする.
右翼・中道・左翼など,右寄りから左寄りまでさまざまな立場を知っておくのがよい.

E意見の対立点に注目して項目の整理を行う

F対立が生じた前提条件・仮定・事実認識・データを調べる

G卒業論文のための具体的テーマを考える



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