小軸班

小型軸流圧縮機班

軸流圧縮機は産業分野を支える必要不可欠なものです。
その使用用途は多岐にわたり、特に航空用ジェットエンジンや発電機に用いられる
ガスタービンエンジンにおいては主要構成要素としてその性能に深く関わる存在となっています。
そうしたニーズから,軸流圧縮機の性能と効率の向上は以前より大きな課題として扱われていて、
翼形状の最適化や二次流れの抑制など、様々な研究報告がなされています。


小軸班とは”小型軸流圧縮機班”の略称です。
小軸班が”小型”と称されるのは
当研究室に小軸より大型の軸流圧縮機である”大型軸流圧縮機班”があるためです。
小軸は大軸と比較すると高負荷運転時の危険が少ないということを活かし、
サージや旋回失速などの不安定現象を対象とした研究が主となっています。

軸流圧縮機の性能と効率を向上させる方法として有効とされるものの一つが
圧縮機を圧力上昇の極大値付近で運転するという方法です。
しかし、そのような高負荷運転点では失速マージンを十分に確保することができないため、
インレットディストーションや燃焼器の異常燃焼のような外部擾乱によって
容易に旋回失速やサージといった非定常状態に陥ってしまいます。
このような非定常現象は圧縮機の性能低下の原因になるだけでなく、
圧縮機の損傷や破壊にもつながる危険性があるとされています。
そのため、不安定現象の解明や、その制御方法の開発が重要なテーマとなっています。

小軸班では、以下の三つの研究テーマを掲げ、並行して研究を進めています。
ⅰ)噴流印加による能動失速制御の研究
ⅱ)サージ・旋回失速に関する基礎的研究
ⅲ)FINE/Turboを用いた数値解析

非定常現象の解明、制御、数値解析と多岐にわたる研究を行うことが
小軸班のおもしろさであるといえます。



(左から)二重位相固定法による旋回失速セルの可視化、
数値解析による旋回失速セルの可視化、
数値解析による旋回失速セルの流線

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