早稲田大学政治経済学術院 | 土屋礼子研究室 | 日本語ホーム

土屋研究室では

近代日本のメディア史を研究しています。幕末明治期から現代に至る、新聞やビラなどの印刷メディアを中心にさまざまなメディアの大衆的な側面に関心を抱き、それらの研究史を含めて調べています。

小新聞・錦絵新聞の研究 <明治初期の大衆メディア>

錦絵新聞のひとつ『東京日々新聞』849号

錦絵新聞のひとつ
『東京日々新聞』849号

代表的な小新聞

代表的な小新聞

最初に研究したテーマは明治初期の小新聞(こしんぶん)と錦絵新聞。小新聞は、庶民でも読みやすいように総振り仮名を施した小型サイズの新聞。(現在のタブロイド版に相当する)錦絵新聞は、新聞記事になるような事件やネタを錦絵=浮世絵版画で描いた一枚刷りの視覚メディア。これらは新聞の大衆化に道を開き、『読売新聞』『朝日新聞』といった日本を代表する新聞を生み出す源流となりました。詳しくは、拙著『明治期小新聞の研究』および『大阪の錦絵新聞』をご覧下さい。

戦時宣伝ビラの研究 <戦争、プロパガンダ、メディア>

戦時対日宣伝日ビラ

戦時対日宣伝日ビラ

現在、研究しているテーマの一つは、戦時宣伝ビラ。第二次世界大戦中に連合国軍が対日本軍向けに作成したビラを調べています。ビラ自体は、日本では江戸時代からあるメディアですが、飛行船や飛行機という輸送手段の登場によって、空からビラを撒くという、マス・メディアとしての機能が新たに生まれました。第一次世界大戦から本格的にビラはプロパガンダ手段として用いられ、大量に製造されるようになりました。その制作は組織的な心理戦の一環として展開されたのです。現在、対日宣伝ビラデータベース準備中。

萬年社コレクション調査研究プロジェクト

萬年社コレクションのCFテープ

萬年社コレクションのCFテープ

現在、関わっているプロジェクトとしては萬年社コレクションの調査研究プロジェクトがあります。これは関西の広告代理店で、近代日本の広告業をかつて代表していた萬年社の所蔵品のうち、ビデオ・テープ類と紙・印刷資料類とを、大阪市立近代美術館建設準備室と大阪市立大学が共同で整理調査し、テレビCMについては、京都精華大学と連携してデジタル化も試みているものです。現在、ビデオ・テープ類の暫定的な目録をウェブで公開しています。公開サイトはこちらです。