学部ゼミ
[免責条項:ここで表明されている意見は私自身のものであり,いかなる形でも私の現在及び過去の所属の見解を表すものではない.]
学部ゼミに対する私の考え
- 私は,大学の価値はどれくらい新しい知識を生み出したかで決まると思います.学部生の皆さんにも,既存の知識を勉強するだけにとどまらず,たとえ未熟なものであっても,新しい知識を生み出す,つまり研究するという気概を持ってほしいと思います.
- 研究したい学部生には,よい研究をしている教員のゼミを選ぶことをお勧めします.よりよい研究をしている教員はより広い世界で知られているからです.Google Scholar, RePEc, 安田リスト:国内版などの無料データベースから,Web of Science, Scopus, EconLitなどの大学契約データベースまでいろいろありますので,気になる教員の業績を調べるとよいと思います.
- 今までのゼミ募集では,私が気合を入れ過ぎていたせいか,学生がほとんど来ませんでした.これから(2020年度募集以降)は,私も肩の力を抜き,学生への要求水準を緩和しますので,気が向いたら応募してください.
- 私は国際貿易の理論家としてアカデミアに生き残ってきましたし,これからもそうあり続けようと思っています.しかしながら,応用経済学における実証研究の比重が高まり続けていることを考えると,これからの若者は理論も実証もできないと経済学を勉強したとは言えないし,アカデミアでも生き残っていけないと思います.従って,このゼミでは国際貿易の理論と実証の両方を,ゆっくり深く学んでいきたいと思います.
- 本学部は学生の海外留学を奨励していますし,私も皆さんにどんどん海外経験を積んでいただきたいと思います.2年秋学期から3年春学期まで,あるいは3年秋学期から4年春学期まで留学する人でもゼミに参加できるように,内容を調整するつもりです.
学部ゼミの運営方法
- 国際貿易モデルには,大きく分けて完全競争モデル(リカード・モデル,ヘクシャー・オリーン・モデルなど)と不完全競争モデル(クルッグマン・モデル,メリッツ・モデルなど)があります.それぞれを1年おきにやっていこうかと思っています.
- 春学期に完全競争モデルあるいは不完全競争モデルの理論を勉強した後で,秋学期には直前の春学期に扱った理論を実証していただきます.
- 演習Iの開始時点までに2年春学期配当「ミクロ経済学A」,及び演習IIの開始時点までに2年春学期配当「計量経済学」を履修するか,それと同等の知識を身に着けていることが必要です.
- 2年冬クォーター配当のプレ演習では中級の教科書を読み,基本を身に着けていただきます.
- 私が担当する3年春学期配当"International Trade"あるいは「国際貿易論」では,学部上級の国際貿易理論(と実証少々)を講義しますので,履修をお勧めします.
- 4年秋学期には演習論文を書いていただきます.
- 留学等で4つの演習の全てには参加できない方は,参加していない演習の内容を自習することが必要です.
- 詳細については,政治経済学部:ゼミのページから最新の演習要項を参照してください.
ゼミ新入生数
- 2022年:1
- 2021年:0
- 2020年:2(内,演習IIから参加:1)
今後の学部ゼミの運営方針は以上に従いますが,気合が入っていた以前の内容を以下に残しておきます.
学部ゼミに対する私の考え
- 内藤ゼミでは,2年間で学生に国際貿易理論の研究をしていただきます.国際貿易理論にはミクロ経済学が応用され,また公共経済学等他の多くの分野とも関連しているので,国際貿易理論を研究すれば経済学全般に詳しくなれます.
- 「研究する」とは,新しい考えを創造することです.他人の考えを解釈したり,データを整理したりするだけでは,「研究している」ことにはなりません.
- 早稲田大学の世界ランキングは皆さんの想像よりはるかに低いのではないでしょうか.その主な原因は,大学の最も重要な役割である研究を強化できていないからだと思います.
- 早稲田大学の世界的な地位を高めるためには,より多くの優れた研究成果を挙げていくことが必要です.そのために,私も多くの研究者と共に努力していますし,学生の皆さんにももっと努力していただきたいと思います.
学部ゼミの運営方法
- 基本的に,1年目は国際貿易理論の基礎を勉強し,2年目は卒業論文に向けて研究していただきます.
- 1年目の詳細については,政治経済学部:ゼミのページから最新の演習要項を参照してください.
- 内藤ゼミの特徴は,国際貿易理論における代表的な国際査読誌掲載論文を読むことです.その理由は以下の通りです:
- 独創性を味わう:有名な論文の著者が新しい考えをどのように実行したのかを追体験することによって,その考えをより深く理解することができます.このような経験は,皆さんが独自の考えを構築するときにも役立つはずです.
- 意外と読みやすい:有名な理論モデルがなぜ有名なのかというと,その独創性だけではなく,モデルの構造が単純なので,様々な形に応用しやすいからです.私が取り上げる論文は,ラグランジュ乗数法と全微分を使え,多少の経済学的センスと根気さえあれば,学部生でも普通に読めるはずです.学生には,数式の導出と解釈を含め,論文を精読することを要求します.
- 経済学の発展の仕組みを理解する:自然科学と同様に,経済学の新たな研究成果は国際査読誌で発表されます.査読とは,匿名の専門家が学術雑誌に投稿された論文の正しさ,新奇性や分野への貢献度等を評価することであり,現代の科学の発展に必要不可欠な制度です.国際査読誌に親しむことを通じて,経済学の世界がどうなっているのか知っていただきたいと思います.
- プレ演習では中級の教科書を読み,基本を身に着けていただきますので,演習開始時には自然と論文を読めるようになっているはずです.
- 経済学全般と同様に,国際貿易でも実証研究の割合が増え続けていますので,実証研究で卒業論文を書いてもかまいません.ただし,1年目の理論論文の完全な理解と,(baby WooldridgeかStock and Watson程度の)適切な計量手法の理解の両方を求めます.
育てたい学生像
- 経済学及び科学一般に敬意を払う学生:どのような学問も,世界中の研究者による努力の結果,発展し続けています.安易な批判は慎みましょう.
- 経済学を現実問題に応用する学生:経済学は社会問題に対する一つの強力な考え方を提供してくれます.社会に出ても,経済学的思考を生かしていきましょう.直接的に経済学を使う仕事も結構あります.
- 経済学の発展に貢献する学生:経済学者になる意思と能力のある学生には,それに相応しい指導をします.
ゼミ新入生数
- 2019年:0
- 2016-2018年:サバティカルのため募集なし
- 2015年:0
- 2014年:1(国際1)
- 2013年:2(国際1, 経済1)
- 2012年:0
- 2011年:0
© 2021 内藤 巧
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